ドッグフードと犬種図鑑 - dogplus.me
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図鑑

ヨークシャー・テリア

ダークスチールに輝く、小さな「動く宝石」。
ネズミ捕りの血が騒ぐ活発な小悪魔

テリアチーム
テリアチーム

基本的には小型で、明朗活発、チャーミングな性格で、家庭犬として不動の人気。でも元はネズミ殺しの達人。強気で抜け目なく、大きな犬相手でもひるまない。抱っこ犬になるつもりは全然ない、心根がすごく逞しい犬。

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小型愛玩犬チーム
小型愛玩犬チーム

日本で最も人気があり、登録頭数が圧倒的に多い。抱っこできるサイズ、ぬいぐるみのように愛らしい姿が人気の理由。しかし、小さくても犬は犬。可愛さだけが能ではない。小さな体にいろいろな可能性を秘めている。

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英名
Yorkshire Terrier
原産国名
Yorkshire Terrier
FCIグルーピング
3G テリア
3G テリア

テリア犬種だけで1グループを構成します。穴の中に住むキツネなどの、小型獣用の猟犬です。

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FCI-No.
86
サイズ
シルエット
シルエットについて

身長160cmの人と、FCI犬種スタンダードに掲載されている体高(最高値)のオス犬を表示しました。体高の記載のない犬種は、体重等からみたバランスのよいサイズにしています。ただ同じ犬種でも、体重、性、毛量などにより個体差があります。

原産国
特徴
  • 小型犬
    小型犬

    体重5〜10kgくらいの犬。キャリーバッグなどに入れると思ったより重たいが、公共交通機関での移動は可能。マンション住まいで、廊下やエレベーターといった共有部分での抱っこもできる。

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  • 長毛種
    長毛種

    ロングヘアともいう。毛の長さ、硬さ、ダブルコート(上毛と下毛がある)かシングルコート(上毛のみ)かは犬種による。シングルコートの場合は、長毛種でも意外と抜け毛が少なく、シャンプーなども楽。

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  • 抱っこ移動OK
    抱っこ移動OK

    抱っこして移動できるサイズ。けっこう重くても、頑張ればなんとかなる犬種も含む。キャリーバッグなどに入れて公共交通機関で移動も可能。マンションの廊下やエレベーターなどの共有部分でも迷惑をかけない。

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  • 子供との同居×
    子供との同居×

    子供にぬいぐるみ感覚で扱われることに我慢ならないタイプや、子供に対して寛容ではないため咬む問題を起こしやすいタイプなど。犬と子供の双方が幸せになれない組み合わせ。

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  • 高齢者との同居要検討
    高齢者との同居要検討

    小型犬・中型犬だからといって、高齢者の手に負えるかどうかは分からない。小さくてもハイパワーだったり、すばしこいタイプはオススメできない。とかく勘違いされて選ばれやすい犬種なので要注意。

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  • トリミング犬種
    トリミング犬種

    プードルやテリアの仲間のように、プロのトリマーにトリミングをお願いしないといけない犬種。ほぼ月に1回トリミング代が必要で、人間の美容院代より高価なこともある。

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  • ブラッシング毎日
    ブラッシング毎日

    もつれやすく毛玉ができやすい犬や、散歩のときに葉っぱやゴミを毛に絡ませてしまう犬は、毎日ブラシかコーム(櫛)をかけて、毛玉を防止し、汚れを落とすようにする。

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  • 頑固・独立心強い
    頑固・独立心強い

    人間の指示で動いていた犬ではないため、そう簡単に人間の都合に合わせてくれないタイプ。決して馬鹿なわけではなく、自分の判断や本能を優先しているだけ。その犬種に合わせたトレーニング技術や忍耐力が飼い主に必要。

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  • 敏感(番犬OK)
    敏感(番犬OK)

    敏感なので、外の物音などにすぐ反応して、吠えて知らせてくれる。番犬やアラームドッグに最適。しかしマンションや住宅密集地など、吠え声が問題になる住環境の場合は要検討。

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  • 遊び・イタズラ大好き
    遊び・イタズラ大好き

    好奇心旺盛で知的探求心が強く、すなわち賢い犬。でも頭を使う楽しみが満たされないと、ゴミ箱をひっくり返したり、物をかじったりなどの悪さをする。イタズラは好奇心の裏返し。脳を刺激する遊びを与えることが大事。

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  • 小さいけど超活発
    小さいけど超活発

    小型でも爆発的な元気さがあり、運動量がたくさん必要な犬。近所を歩く程度の散歩では満足できず、無駄吠えやイタズラなどの問題行動を起こしがち。大型犬は飼えないが、長時間散歩やジョギングのお伴が欲しい人向き。

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  • すばしこい
    すばしこい

    機敏で、小回りがよく利く。活発な小型犬だと体高も低いため、捕まえるのが意外と困難。高齢者など速い動きに対応できない人は、なかなか捕まえることができず、リードをつなげるのもひと苦労。俊敏な飼い主向き。

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ヨークシャー・テリア
ヨークシャー・テリア
ヨークシャー・テリア
ヨークシャー・テリア
ヨークシャー・テリア
ヨークシャー・テリア
ヨークシャー・テリア
ヨークシャー・テリア
ヨークシャー・テリア
ヨークシャー・テリア

歴史

ヨークシャー・テリア
19世紀の中ごろ、イギリス・ヨークシャー地方の鉱山や紡績工場で、ネズミ駆除の仕事のために使われており、当時は今よりももっと体が大きかった。現在ではその可憐なサイズと美しいシルキーな毛並みから「動く宝石」とも呼ばれ、アメリカでは人気犬種のベスト5位(2011年版)で、数年にわたり安定して愛されている。アメリカでは、レトリーバーやジャーマン・シェパード・ドッグビーグル、ブルドッグ、ボクサーが上位を占める中で、小型愛玩犬としてはヨーキーがいちばんの人気者だ。

日本でもアメリカと同じくらいで、登録頭数ベスト5位(2012年版)にランクされている。シー・ズーなどと同様に、昭和の時代からペットショップで販売される常連犬であり、子犬の姿をよく見かける。

犬種として固定される前は「ブロークンヘアード・スコッチ・テリア」や「ハリファックス・ブルー・アンド・タン・テリア」「ヨークシャー・ブルー・アンド・タン・テリア」などと呼ばれていた。名前からして、青く輝くスチールカラーの被毛の犬だったことが見てとれる。現在の名前になったのは1870年。近代になって「ヨーキー」との愛称もついた。

産業革命の頃、スコットランドの労働者たちが仕事を求めて南下してきたときに、小型のスコティッシュ・テリアを連れてきて、それとヨークシャー地方の地元のテリアを掛け合わせ「ブロークンヘアード・スコッチ・テリア」が作出されたらしい。その後さらに数々の犬が交配されて、優秀なネズミ捕りとして改良されていったようだが、掛け合わせた犬種にはさまざまな意見がある。聞いたことのない絶滅したようなテリア種のほか、マンチェスター・テリア(オールド・ブラック・タン・テリア)、スカイ・テリア、ダンディー・ディンモント・テリア、そしてマルチーズの名前も挙がっている。こうした複雑な雑交配から、小型でロングヘアーのテリアが生まれた。体はそれなりに小型ではあったが、「窮鼠猫を噛む」状態の攻撃的な齧歯類を相手に勇敢に立ち向かうのがヨーキーの特性。工場や鉱山で、害獣駆除の有能なパートナーとして重宝がられた。

これは余談であるが、いまの日本では、パピーミルなどの劣悪な繁殖場で適当に交配させている犬もいるためか、標準サイズを大きく上回るヨーキーもよく見かける。昔、さまざまな中くらいサイズのテリアも先祖に入っていたのは間違いないようなので、血統管理を厳重に行わないと先祖返りのように大きめの個体も産まれてしまうのだろうか。本当のところは分からないが、ほかの小型愛玩犬(パピヨンやシー・ズーなど)に比べると明らかにサイズにばらつきが大きい。ただし近年の日本ではトイ・プードルやチワワも標準サイズを大きく逸脱する個体も現れているので、いずれにせよ日本の流行犬種の乱交配が原因の一つであることは、おそらく間違いない。

ともあれ、ヨーキーは1886年にイギリスのケネル・クラブに正式に認定されたあと、それまで労働者階級のネズミ捕りの犬だったのに、貴婦人の愛玩犬としての華々しい地位を手に入れた。そのためさらに抱っこできるサイズに小型化が進められ、現在の姿になった。

外見

ヨークシャー・テリア
なんといっても、ダークブルーに輝くスチールカラーとゴールデン・タン(金色っぽい鮮やかな黄褐色)の絹毛状の直毛が魅力な、ダーク・スチール・ブルー&タンの被毛。ダーク・スチール・ブルーはオクシパット(後頭部)から尾の付け根まであり、フォーンやブロンズ、ダークな毛と混じることはない。

ショードッグとしての犬種スタンダードは、長い被毛のままで、背中で左右均等に分け、真っ直ぐ垂らす姿。分け目は鼻から尾先まで伸びる。被毛は犬種改良の際に、なぜか体のサイズほどに縮小されなかったようで、体のサイズよりも極端に長いコート(被毛)を持つ。
この絹のような細い毛が切れないように、ショーに出る犬は特別な手入れをする。専用オイルをつけた毛を小分けにしてシルクペーパーでくるみ、丁重に扱う。ドッグショー会場に行ってパドック(出陳犬の控えブース)を覗くと、体じゅうにたくさんの巻いたペーパーをぶらさげて、本番ぎりぎりまで待つヨーキーの姿を見ることができる。そのような涙ぐましい努力の結果、ショーリンクを美しい長い被毛を揺らしながら可憐に走るヨーキーとなる。あの姿に惚れ込んでも、家庭犬であの被毛を保つのは至難の業。一般の飼い主が家庭犬として飼うときは、普通の犬種図鑑に掲載されているようなロングヘアーを保ったままのヨーキーにするのはかなり難しい。ときどき、何も管理しなくても、あのような美しい姿に勝手になると思ってヨーキーをペットショップで購入する人がいるが、それは甚だしい勘違いだ。また美しい被毛を保つために、屋外の運動をさせないような飼育の仕方が正しいとも思えない。

一般の飼い主が飼養するときは、トリミング・サロンで短めのペット・クリップにすることが普通。それでも細い絹毛はからみやすいので、毎日ブラッシングとコーミング(櫛入れ)をして整える。

ヨーキーは小さな犬だが、中味は元気いっぱいの快活なテリアなので、外の散歩は大好き。毛を汚したくないとか、小さいので散歩は不要などと、外の世界に連れ出すことを嫌がるなら、そもそもヨーキーに限らず犬を飼う資格はない。最も重要なことは毛の美しさだけでなく心の健康である。心の美しさと安定をもたらすために、散歩には毎日行くこと。
またヨーキーは、トリミング犬種である。ペット・クリップにしても1〜2か月ごとにトリミングサロンに依頼することになるので、トリミング代がかかる。金額は技術力やエリアにより差があるが、シャンプー&カットで毎月5000〜8000円くらいかかると予算計上しておこう。

犬種スタンダードでは、体重の上限は3.1kg。儚いほど、小さくて可憐な犬である。ショーの世界では、小さいほど珍重される傾向にあるが、行き過ぎた矮小化は、犬種の健全性を損なうので問題だ。チワワ同様、水頭症のヨーキーも発現しているし、体力がなくてすぐ下痢したり、ぐったりしやすい虚弱体質の犬もいる。ヨーキーに限らず、トイ・プードルやチワワもそうだが、小さければ小さいほどよいという風潮はまったく望ましくない。そもそも実際に飼うのは大変だし、獣医療費もかさみやすい。

かたや、パピーミルなどでの乱交配のせいかヨーキーなのかどうかわからぬほど大きくなってしまう個体も意外なほど多く見かける。8kg近くのケアーン・テリアの雑種かと見間違うほどの犬もいて、もはや別犬種のようである。正しい標準サイズのヨーキーを迎えたいのなら、やはりペットショップやホームセンターなどで衝動買いするのではなく、親犬のサイズや健康状態、性格を直接確かめることができるブリーダーの門を叩くことを強く勧める。

毛色


なりやすい病気

遺伝性
  • 進行性網膜萎縮
  • レッグペルテス症
  • 膝蓋骨脱臼(パテラ)
  • 若年性腎疾患
  • 若年性白内障
  • カラーミュータント脱毛症
  • 停留睾丸
先天性
  • 水頭症
  • 門脈シャント
その他
  • 腎形成不全
  • 尿結石
  • まつげの異常
  • 気管虚脱
  • 気管支炎
  • クッシング症候群
  • リンパ管拡張症
  • アレルギー性皮膚炎
  • 低血糖症
  • 椎間板疾患ハンセンI型
  • ドライアイ(乾性角結膜炎)

魅力的なところ

  • 小さくて可憐な姿。ダークスチールに輝く被毛。「動く宝石」とは言い得て妙。
  • 小さいけれど、すごく頭の回転が速く、陽気で活発な楽しいテリア。
  • 社交性が高く、臆病ではないので、そういう点では飼いやすい。
  • 中型犬や大型犬に負けないくらい、一緒に散歩やゲームが楽しめる手応えのある犬。
  • 小さいので、力が強いということもなく、コントロールはしやすい。
  • よく気がつき、よく吠えるので、アラームドッグになる。
  • キャリーバッグに入れて公共交通機関を利用できる。
  • 病気は多いものの、比較的長命。18歳などのご長寿もよくいる。

大変なところ

  • テリアなので自己主張が強く頑固で気が強い。トレーニングしないとワガママ犬になる。
  • 気が強く、自立心高く、プライド高いテリア気質を理解できないと手こずる。
  • 騒々しい乳幼児・小学生にいる家庭ではよけい落ち着きがない犬になりやすい。咬傷事故にも注意。
  • 敏感でよく気がつくので、マンションなどで廊下を歩く人に無駄吠えする可能性あり。
  • 超小型犬だがとても活発。運動不足、刺激不足だと無駄吠えやイライラなど問題行動に発展しやすい。
  • 毎日毛の手入れ必須。毛の手入れを楽しめる人向き。
  • 毎月トリミング代がかかる。
  • 超小型犬なので体力や耐久性は低いことも。暑さ寒さ対策が必要。低血糖にも注意。
  • 遺伝性疾患のほか、心臓病など病気は多い。

まとめ

小さくて可憐。でも心はしっかり者の立派なテリア

成犬の体重はオス・メスともに3kg以下で、2kg以下が理想とされる超小型犬。小さくて有名なチワワの体重の理想体重は1〜2kgとされるので、正しいヨーキーはチワワ並みに小さい超小型犬なのである。

そしてよく犬種図鑑に掲載されている犬種スタンダードのお手本のようなショードッグのヨーキーは「動く宝石」と称されるとおり、長いドレスを床に引きずるかごとく美しいロングヘアーの姿であるが、あのお姿をキープするのはよほどのヨーキー・ファンシャーでないと難しい。普通の家庭では、短めにカットされたペット・クリップが多い。短めのカットのヨーキーも、ヤンチャで快活なヨーキーらしい性格がにじみ出ていて可愛い。

ヨークシャー・テリア
ただ、どんなに小さくてもテリアはテリア。たしかに数あるテリア種の中でヨーキーはいちばん小型のテリアである。でも中味はほかのテリアと同じで、血気盛んなネズミ殺しの血がしっかりと流れている。機敏で、活発で、すばやく、興奮しやすい。イタズラ好きで遊び好き。人なつこくて、明るい。過敏で、警戒心が強く、よく吠える。頑固で、服従性が低めで、自立している。自己主張も強く、要求もしてくる。
ヨーキーの特性を列記すると、本当にテリア気質そのままで、ほかの中型や大型のテリアに比べてなんら劣るところはない。小さいけれど、犬と暮らす醍醐味をすごく味わえる、しっかりした犬なのである。体は小さいのでスペースはとらないし、バッグに入れて電車にも乗れるし、ごはん代は少なくてすむが、パフォーマンスは中型犬・大型犬並みの楽しい犬なのだ。

ただ、ちょっとだけ愛玩犬らしいところといえば、やはり貴婦人に愛された時代が長かったせいか、小型犬らしい甘え上手なところ。飼い主の関心をひいて可愛がってほしいという小悪魔的な性格も持っている。これがまたたまらなく愛らしい。でも、この小悪魔に騙されて、ついつい甘やかしてしまうと、本当にワガママすぎる悪魔になりがちなのである。
小悪魔は、自分が構ってほしいときはすり寄ってくるが、自分がその気がないときは呼んでも来ないし、振り向いてもくれない。ちょっと耳を動かして、飼い主の声を拾うくらいである。飼い主の方がヨーキーの召使いのようになっているお宅も割と存在する。超小型犬なので手に負えないほど問題が深刻化することはあまり聞かないが、やはり「犬は犬」として接しないといけない。小悪魔に騙されたままでもいい、と思ってしまう気持ちも分からなくもないが、心を鬼にして、人間と暮らすルールを教えてほしい。それが節度ある正しいドッグライフだ。

またヨーキーは、よく遊び、よく走り、長い散歩やドッグランで激走するのも大好き。裏を返せば、見た目とは裏腹に深窓の令嬢的な暮らしは肌に合わない。
よく気がつき、警戒咆哮も得意で、優秀なアラームドッグにもなる。反対の言い方をすれば、マンションの廊下を歩く隣人の足音に過敏に反応して吠えたり、窓から見える往来の人や犬に喧嘩を売ろうとすることもある。
ついでに言うと、ハムスターなどの小動物と同居するのは考え直した方がいい。本業はネズミ捕りなのだから。テリアを軽視していて、家庭内でショッキングな惨殺現場を目にしてしまうことになった例もある。

とにかくヨーキーは、愛らしい姿をしているが、テリアである。テリアの基本的な気質をしっかり理解したうえで、家族の一員に加えることが大事。ちなみにテリアはとても好奇心・探求心が強く、頭の回転の速い犬。“自分”を持っている犬なので服従性は低いけれど、ゲーム感覚で教えていけば、いろんなルールや芸をすぐ覚えていく。頭がよく社交性のあるテリア気質のいいところをどんどん伸ばすと、さらに魅力的なコンパニオンになる。トレーニングができていれば、もっと一緒にいろんなところに同伴させることもでき、お互い楽しい暮らしとなる。

すでに甘やかした生活をしてしまい、手に余ることがあるのなら、家庭犬のトレーナーに相談するとよい。ヨーキーは少々頑固さんだが頭のいい犬なので、教え方のポイントさえ飼い主がつかめば、それなりに理解してくれる犬なので改善が見込める。ただ、悪い癖や習慣は、長い期間が経過すればするほど定着してしまうものなので、早期に手を打った方がいい。

ペット・クリップにしても、毛の手入れは毎日

ヨークシャー・テリア
シングル・コートなのでそれほど抜け毛はないが、細い絹毛ですぐもつれるから、毎日ブラッシングやコーミングをすること。散歩のあとに、葉っぱや小枝などを吸い付けて帰ってくることもあるので、汚れ落としのためにも毎回軽くブラッシングをする。体のサイズが小さくて表面積はたいしたことないから、ミニチュア・シュナウザーやアメリカン・コッカー・スパニエルなどのサイズの犬に比べれば、ブラッシングにそれほど時間はかからない。それでも毎日のことなので、やはり犬の毛の手入れのために時間と手間をかけることを苦労と思わない飼い主さんを希望。

短めのペット・クリップにせよ、意を決してロングコートをキープするにせよ、トリミング・サロンに1〜2か月に通うことになる。トリミング代はお店によりまちまちだが、ペット・クリップでもおおむね5000〜8000円くらいかかる。
ちなみに、子犬のときはブラック&タン(黄褐色)の黒っぽい被毛に包まれていることがほとんどだ。成犬になるにつれ、ダーク・スチール・ブルー&タンに変化する。ただし、中にはそのままブラック&タンのまま成犬になる犬もいる。ダーク・スチールに輝く被毛に憧れるなら、やはり親犬をチェックすることが大事。

また子犬の頃は、まだパピーの毛なので、毛も長くないし、あまりからまない。でもだんだんオトナの毛に変わってくると、もつれやすい毛になる。成犬になって毛がもつれてからコームやブラシをしようとすると警戒して嫌がったり、痛くて怒って、手入れをさせてくれない犬になることもある。子犬のときから、ブラシでそっと撫でるなどの練習をして、グルーミング・タイムを習慣化させておこう。

ご長寿犬が多い。若いときから歯のお手入れを

足の骨関節の遺伝性疾患・レッグペルテス症や膝蓋骨脱臼、また高齢になると気管虚脱などを発症しやすく、かかりやすい病気の数が多い犬種ではある。しかし15歳以上でも元気にしている犬も多くいて、比較的長命な犬でもある。
長く共に暮らすことになるので、ヨーキーに限ったことではないが、犬を迎える前に、自分や自分の家族が10年後、15年後、もしかして20年後にどういう暮らしをしているのか、どんな家族構成になっているのか、どこに住んでいるのか、シミュレーションをして、10何年後もずっと一緒にいられるかを確認してから迎えてほしい。子供(幼稚園児や小学生)が子犬を欲しがったからと言っても、勉学やクラブなどで忙しい中学生、高校生になり、実家を離れるかもしれない大学生や社会人になってしまう間も、犬は生きている。子供が結婚して、独立してしまう日にもヨーキーは達者に頑張っているかもしれない。人生設計をよく考えてから家族に迎えてほしい。

また、ご長寿犬なのはありがたいが、それだけに歯が抜けてしまう高齢犬が多く見られる。とくに小型犬は、長生きが多いことと、犬種改良の結果あごが小さくなったため、歯ならびが悪かったり、歯が密に並んでいるせいか、大型犬に比べて歯のトラブルが多い。若い頃から、歯磨きの習慣や定期的な歯石の除去などの歯の手入れを行う。

遺伝性疾患も多いし、犬種サイズに乱れがあるので、よいブリーダーを探す

ヨーキーは、ペットショップの定番の犬である。しかし、ヨーキーも犬であり、健全な犬であることがいちばん。遺伝性疾患は、親犬が交配前にきちんと検査をしていれば、減らせる病気である。
でも金儲けの手段として繁殖にたずさわる悪徳のブリーダーやパピーミルは、ヨーキーの犬種の未来やその個体のことなどは微塵も考えていないので、わざわざお金をかけて親犬の健康管理をしたり、遺伝子検査をしたりはしない。犬は売りっぱなしなので、親犬や親戚犬の病気のデータを蓄積する必要もないし、性格の安定性などを考慮して繁殖計画をする気もない。そういうところで産まれた子犬を買うのはとてもリスクが高い。また、とくにヨーキーは、純血種としての血統書がありながら、びっくりするほど規格外に大きく成長する犬もいて、どういう親犬を交配に使っているのか、摩訶不思議なことも多い。

もしあなたがヨーキーが大好きで、なるべく健康で長生きしてくれる犬、オトナになってもヨーキーらしいサイズと顔つきである犬、明るく大胆でお茶目なテリア気質を持つヨーキーらしい性格の犬を望むなら、ペットショップやホームセンター、イベント販売、ネット販売などで安易に衝動買いはしないで、ちゃんとヨーキーを心から愛して繁殖をしている正しいブリーダーから購入することを勧める。
その際は、親犬に使う繁殖犬の遺伝性疾患の検査は何の病気について実施しているかなども質問してみるとよい。ただ可愛がっているだけでなく、きちんとヨーキーという犬種の保存を考えている正しいブリーダーであれば、誠意を持って答えてくれるはずだ。

このページ情報は,2014/11/01時点のものです。

本犬種図鑑の疾病リストは、AKC Canine Health Foundation、Canine Cancer.com、Embrace Insurance “Pet Medical Conditions”などを筆頭に、複数の海外情報を参考にして作られています。情報元が海外であるため、日本の個体にだけ強く出ている疾患などは本リストに入っていない可能性があります。ご了承ください。

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