図鑑
秋田
中型犬「マタギ秋田」などを改良して大型化された
日本犬の中で唯一の大型犬
英名
Akita
原産国名
秋田、あきたいぬ
FCIグルーピング
5G 原始的な犬・スピッツ
FCI-No.
255
サイズ
原産国
特徴
歴史
日本犬は、FCIとそれに準じるJKCでは6犬種が公認されている。FCI、JKCではサイズによる明確な区分はないが、分かりやすいように分類すると3タイプの大きさがある。
・小型:柴、甲斐
・中型:北海道、紀州、四国
・大型:秋田
一般には「秋田犬」(あきたけん)と呼ばれるが、「あきたいぬ」と読むのが正式。さらにいえば、FCI やJKCでは「秋田」(あきた)が正式名称である。日本犬の中で唯一の大型犬種だ。
秋田県近辺が原産だったためにこの名になったが、現在の秋田県北部の大館市近辺や、その東にある秋田県鹿角市(青森県・岩手県との県境に接する)のエリアで多く繁殖されていたので、一時は「大館犬」や「鹿角犬」と呼ばれていたこともあった。
元をたどると、マタギ(猟師)の手伝いをするクマ猟犬の「マタギ秋田」や、近県の「マタギ岩手」がこの犬のベースである。これらの犬は中型サイズだった。おそらく、現存する北海道犬や紀州犬のようなサイズだったと推察される。昔は犬種標準(スタンダード)や展覧会(ドッグショー)があるわけもなく、見た目のカッコよさや可愛さよりも、クマにも怯まない勇猛な性質や俊敏な機動力、雪深い自然にも負けないタフさや耐寒性、東北の深い山間で夢中になって獲物を追いかけても自分の家に戻れる帰巣性(帰家性)などの能力が重要だったはずだ。もしかすると、甲斐犬か川上犬のような小型サイズの犬も混じっていたかもしれない。
明治以降に大館・北秋田を中心に闘犬が盛んに行われたのを機に、洋犬のマスティフ系の血が入った土佐闘犬と上記のようなマタギ犬を交配させて体格を大きくし、闘争心を高めるように犬種改良されたのがいまの秋田である。
秋田は「マタギ犬」とよくネットや雑誌などに書いてあって、てっきりクマやイノシシなどの猟に使われていた生粋の獣猟犬と思われがちだが、(遠い祖先の血としては血族的に間違いではないのだけれど)実際に山で猟師の片腕として命がけで働いていたのは中型犬サイズの土地の和犬であり、今日(こんにち)見ることのできる大きな秋田とは区別されるべきだろう。秋田は近代(明治以降)に改良・完成された犬であり、石器時代など古くから日本にすむ人々とともに暮らしてきたアイヌ犬(北海道)などとは成り立ちが異なる。
さらにもう一度、秋田に外来の犬の血を混じらせることになったのは、戦時中の受難である。第二次世界大戦中、軍用の防寒衣料として犬の毛皮を使用するために一般の犬は捕獲されたが、軍用犬の
ジャーマン・シェパード・ドッグ だけはその難を逃れることができた。そのため秋田を絶やしたくなかった地元の人たちはあえてシェパードと交配させて「これは秋田じゃない、シェパードだから」と言って毛皮にされることから逃れた。そうした経緯からシェパードなどの洋犬との交雑が進んだ過去がある。
戦後に愛好家が古来のマタギ秋田タイプの犬たちを繁殖に用いて、洋犬の特質を取り除く努力をした結果、大型でありながら和犬の風格のあるいまの秋田が固定化された。つまり昭和後半以降に完成したばかりで、歴史は長くない。近代の犬種なのである。
ちなみに「アメリカン・アキタ」という犬種もいる。終戦後に日本に駐留していたアメリカ人がシェパードやマスティフなど洋犬の血が濃く残っているタイプの犬を連れ帰り、アメリカで繁殖させ確立させたものだ。アメリカ独自のタイプとして発展し、いまは秋田とは別の犬種となっている。
諸外国では「アキタ」はとても人気がある。大型犬が好きなお国柄で、サムライや禅のような和のものに憧れる人たちにとって、日本犬で唯一の大型犬の秋田が好まれるのは当然のなりゆきといえる。日本犬を総称して「アキタ」と言われることもあるほどだ。
とはいえ日本の秋田に比べて、アメリカン・アキタはシェパードのようなブラック・マスクの犬が多い。また性格も和犬とは異なり、フレンドリーでマイルドな性格になっている。外国人の中でも、通な日本犬ファンシャーは、きちんと日本の秋田とアメリカン・アキタを区別している人も少なくない。
現在の日本の秋田は、クマ猟犬や闘犬といった当時の使役目的から分かるように、勇猛で攻撃力が高く、ワンオーナー(飼い主はただ一人)主義が基本。飼い主ただ一人に忠義を尽くす秋田の魅力にはたまらないものがあるし、もちろん優秀なガードドッグ(番犬)となる。
でも外国犬種のガードドッグとは異なり、部外者が敷地に近づいても吠えまくったりせずに悠然と静観しているのが普通。しかし、ひとたび飼い主に危険が迫ると判断したとたんに猛然と攻撃する。よってよそ様の秋田に、吠えていないからと頭を撫でようとするのはNGで、手を出した方が悪い。
「吠える犬ほど弱い」の反対で、「吠えない犬ほど最強」。無駄吠えが少ないという点では都市部や集合住宅飼育にも好都合なのだが、テリトリー意識が強いし、いざというときの攻撃力も高いので、飼育の際はそうした性質をよく理解した人しか飼ってはいけない。咬傷事故が起きるのは犬のせいではなく、犬を理解せずに手を出した部外者の無知さと、そういう他人と接触させてしまった飼い主の管理の問題である。
外見
体高はオス67cm、メス61cmが理想(±3cmまで許容される)。これはJKCでも日本犬保存会でも同じ基準を採用している。
そして体躯の構成バランスも、JKCと日本犬保存会は「体高:体長=10:11」「メスは体長がオスよりも長め」とスタンダードを定めている。多くの犬種がそうだがメスは妊娠・出産の可能性のためにオスよりも少し体長が長めであることが自然だ。
犬種スタンダードでは体重記載はなく、一概には言えないが、目安としてオス40kg前後、メス35kg前後。体格や顔つきにも性差がはっきり現れている。オスはオスらしく、メスはメスらしくあるべし、というのが日本犬の重要な魅力だ。オスらしいとはたくましい勇猛さ、メスらしいとはオスよりも柔らかく優しい感じだ。
また日本犬保存会の資料によると、小型・中型の日本犬は「骨格緊密にして筋腱発達」(骨は適度な太さで力強く、内部の組織が緊密。筋肉はよく鍛錬され、強靱で弾力的。そして筋肉と腱はよく附着し、力強く隆々としている)ことが大事とされているが、大型犬である秋田の場合は、骨格緊密の部分が「骨格頑丈」に変更されている。小型・中型の日本犬よりも、大型犬らしい太くて頑丈な骨格を要求されているということだ。確かに柴や紀州よりも秋田の方が、体高の高さが大きいだけでなく、骨太で重量感があり、頭骨もがっちりしていて頑強そうである。
頭部は額が広く、頬が両側の側方へよく張っているので、正面から見ると上頭部が大きく感じられる。耳は小さな三角形。正面から見て三角形であることが絶対条件だという。小さな三角形の「小さい」とは絶対的な大小を指すものではなく、頭部との釣り合いのとれたバランスのよい大きさであることを示す。
そして耳は、力強く、正しく、ピンと立つ。「耳には動作と表現がともない、神経、注意力、ひいては稟性(天賦の性質)、健康状態までもが感受される。(中略)過敏や精神力の弱さからくる耳の使いすぎ、また疲れなどから現れる力不足などは、いずれもよしとしない」とある。日本犬保存会の標準解説にある表記がとても興味深い。耳は「悍威(かんい)の力強さ」(悍威とは、気迫や強い精神力)を示すものでありたい、というのがなんとも日本犬らしい。
目は少しばかり三角形で、目尻がややつり上がっている。目の虹彩の色は濃茶褐色が理想。色素量により、茶色や茶褐色、黄色、灰色までが現れるが、黒色であってはならない。鼻は大きくて黒い。ただ被毛が白い犬は肉色(薄ピンク色)も許される。
口吻の鼻梁は真っ直ぐ。鼻筋がアーチするように盛り上がったものや,反対にしゃくったものはよくない。また吻は適度な太さで、頬部のよく張った部分からストップを境に鼻の先にかけて徐々に引きしまっていく。口先が細いもの、口唇がゆるいもの、ストップの浅いもの、鼻梁の盛り上がったものは減点となる。
とくに、日本犬の中で、小型・中型の口唇はおおむねよく締まっているが、秋田と紀州の一部の中に口唇が緩いものを見かけるという。ひどいと口唇が垂れ下がるものがいるらしいが、これはもしかするとマスティフ系の犬の血を混血された名残りかもしれない。日本犬たるもの、口唇は引き締まっていることが重視され、垂れ下がってヨダレがでやすい形状はよくない。
尾は、太く力強い巻き尾。柴や紀州など小型・中型の日本犬は、差し尾(太刀などのような形の尾)と巻き尾のどちらでもよくて、どちらがよりよいとか悪いということはない。けれども、大型の秋田にかぎり、巻き尾でないといけない。巻いていない尾の秋田は失格となる。
被毛は、二重のダブルコート。上毛のことを日本犬では「表毛」「剛毛」ともいう。太くて堅く、針のように真っ直ぐな毛だ。下毛は「綿毛」ともいわれる。綿毛とはなんとも保温性のある毛としてイメージしやすく、日本犬ならではの言い方だ。綿毛は細くて柔らかく、密で、防寒・防水性があり、体の保護に役立つ。
体毛の中でいちばん長いのは尾の裏側の毛。長めで開立しているのが特徴。尾の毛が短くて開立していないと細くで貧弱に見えるので好ましくない。
二重構造の被毛は、非常に抜け毛も多い。これは
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク やハスキーなどの北方スピッツ系の犬種と同じだが、とにかく日本犬は毛がよく抜ける。とくに春と秋の換毛期にはごっそり抜けるので、ブラッシングをしっかり行い、死んだ綿毛を取り除くようにする。また快適な室温が保たれている室内飼育の犬の場合は、どの犬種でもそうだが、春と秋の年2回の換毛期に関係なく年中抜けやすい。秋田は日本犬の中でも大型で体表面積が大きい分、抜ける量も多いので覚悟が必要。またブラシを怠ると厚い綿毛によって皮膚が蒸れ、皮膚炎の原因となることもあるので、健康維持のためにもブラッシングは欠かせない。
シャンプーは自分でできる。ただし大きな風呂場や乾かす場所が必要。ブラッシング同様に、体のサイズがとにかく大きい分、洗うのにも乾かすのも、それなりに時間がかかる。また抜け毛で配水管が詰まらないように気をつけよう。
毛色は、JKCの規定では、赤、虎、白、胡麻と表記されている。日本犬保存会も同じ。
赤は、いわゆる普通の「赤」ではなく、日本犬で最も古典的なオレンジ色のような赤。柴で最も多く見られる色で、秋田にも多い。赤で大事なことは「冴え味」だという。明瞭な色彩をもち、濁りのないパキッとした赤がよい。
虎には、赤虎と黒虎の両方が含まれる。
また胡麻とは、黒毛、赤毛、白毛が全体的にほどよく混ざり合ったものを指す。さらに赤胡麻とは、赤地に黒差し毛が混ざり合ったもので、胡麻の基本。黒胡麻は、胡麻にいっそう黒の差し毛が多いものだ。また白胡麻、あるいは銀胡麻といって、白地に黒差し毛が混じったものもあり、秋田はこの銀胡麻が称美されることもあった。でも最近はあまり見られない。
ちなみに、黒柴のように、背中が真っ黒の秋田はいないが、黒胡麻や黒虎の秋田を含め日本犬の黒は、洋犬のブラックや漆黒とは異なる。鉄錆色というか、光沢のない、いぶしたような、やや褐色まじりの黒をいう。
そして日本犬では、白以外の毛色は「裏白(うらじろ)」であることも大事な要件。裏白とは、頭や背中が赤や胡麻や虎毛で、マズルの両側、頬、顎、首、胸、おなか、尾の裏側、足の内側が白いことをいう。秋田に限らず、柴など純血種の日本犬はこの裏白がポイントである(JKCや日本犬保存会が認定していない川上犬には裏白の規定はない)。裏白であることにより、色彩のさえが一段を引き立つのだという。
さて日本犬保存会では、日本犬の中で唯一、秋田にのみ斑毛(ぶちげ)が許容されている(JKCでは認めていない)。ただし胴体にある大きな斑毛(牡丹斑。ぼたんふ)はおよそ日本犬らしくないとされ、許容外となる。斑毛は洋犬の血の名残といえるのかもしれない。
JKCの示す失格事由は
・立っていない耳
・垂れ尾
・著しい短毛や長毛(ムク毛)
・ブラック・マスク
・白地にぶち
など。
・過度のシャイ
も失格となる。
毛色
魅力的なところ
威風堂々とした姿。日本犬で唯一の大型犬。
無駄に吠えない、本当に強い犬。
飼い主に一途。ほかの人に媚びを売らない。
落ち着いた性格。動きもせわしくない。
主君や家財を守る最良の番犬。
家族の子供に優しく、忍耐強く子守りもしてくれる。
タフで長距離散歩の相棒に最適。
寒さに強い。
無駄吠えが問題になることは少ない。
大変なところ
攻撃力は高い。この肉体的・精神的強さをコントロールするのは素人には難しい。
警戒心と飼い主を守る気持ちが強いため、他者や他犬に攻撃することも少なくない。
誰彼かまわず咬むわけではないが、破壊力はあるので事故になったら一大事。
力は強い。女性の腕力で引き運動はよほど体力に自信のある人限定。
他人や他犬と仲良くするタイプではない。
自主独立している。飼い主には従順であるものの教え方にはコツがいる。
トレーニングは洋犬と同じ感覚でやると難航する。
抜け毛は非常に多い。ブラシも住環境の掃除も大変。
大型犬のため老犬や病犬の介護は覚悟が必要。
まとめ
威風堂々とした日本の誇りのような大型日本犬
「明治以前に大型の日本犬はいなかった」。秋田犬の歴史をひも解くと、割と近代に完成した犬種であることに新鮮な驚きを覚える。とはいうものの、大きく、強く、堂々としていて、無駄に吠えず、ただ一人の飼い主に忠誠を尽くす秋田は、忠犬ハチ公の美談とともに、世界中に日本犬の素晴らしさを伝えることに大きく貢献している。最近では、ロシアの犬好きの大統領に親善の象徴としてプレゼントされるほどだ。秋田は日本が誇る犬である。
しかし、かたや咬傷事故がニュースになりがちな犬であることも忘れてはならない。その理由は、もともとの日本犬古来の血である警戒心の強さなどの排他的な性質のところに、闘犬用に攻撃性を高めるためにマスティフ系の洋犬の血を投入していること、また戦争時の難を逃れるために、神経過敏気味で敏感で、訓練すれば攻撃性も高いジャーマン・シェパード・ドッグの血も入っていることなどが関係しているのだろう。
古武士のように常に冷静沈着で、よけいな争いはしない日本犬魂が息づくように改良に尽力しているが、DNAの中には瞬間的に興奮性が高まる闘犬などの洋犬の血がまだ残っている可能性はある。また、ほかの日本犬が小型や中型犬なのに対して、秋田は大型犬なのでそれだけ顎の破壊力は大きいし、覆い被さってきたときのパワーは計り知れない。
さらにいえば、飼い主がしっかりと強いリーダーシップを発揮し、強固な信頼関係ができていれば、忠誠心の強い犬なので、散歩のときにガンガン引っ張ったり、飼い主の言うことを無視するような犬ではないけれど、裏を返せば、犬から「この飼い主は尊敬に値しない。自分の主君にはなれない」と判断されると、犬が言うことを聞くはずがない。そういう意味では、非常に手強い犬である。素人が手をだしていい犬ではない。日本犬の性質を理解し、大型日本犬を体力的にも精神的にもリードできる人だけが、秋田の飼い主にふさわしい。
秋田と暮らしたいと思い立ったら、事前に、秋田を長年飼養している先輩諸氏の意見を聞いたり、日本犬保存会の展覧会に行って犬の動きや行動をよく観察したり、日本犬をこよなく愛するブリーダーや日本犬を専門に訓練している日本犬のプロから学ぶなどの最大限の努力をしてから、ものすごい覚悟を決めた上で迎えること。覚悟と知識を持った飼い主の元でこそ、最高の片腕となる犬だ。
他人や他犬と仲良しになる必要性は感じていない
秋田に限らず基本的に日本犬は、他人や他犬に対して、フレンドリーにほがらかに近寄るタイプではない。ごくたまに、警戒心がまだ育っていない生後4か月ほどまでの間に、ほかの犬とたくさん遊べるような環境に育ち、かつ血統的にも友好的な両親犬から生まれた日本犬であれば、フレンドリーで社会化が育まれたマイルドな子もまれにいることはあるが、そういうタイプこそ珍しい。また日本犬たるもの、そうなってほしくない、と思っているファンシャーも多い。
多くの秋田は、相手の犬や人まで一定の距離が保たれていれば、自ら喧嘩を売るようなことはなく、我関せずで、のしのしと通り過ぎる。しかし、売られた喧嘩は必ず買うタイプ。そして喧嘩になったときには圧倒的に強い。
ともあれ、秋田をはじめとする日本犬に対して、「ほかのワンちゃんと仲良くしてほしい」「ドッグランで一緒に遊んでくれればいいのに」「お客様に愛想よくしてほしい」などと願っても、それはあまりにも難しい相談だ。彼らは、飼い主さえいればいいのである。ほかの人やほかの犬と仲良く遊びたいなどとはさらさら思っていない。飼い主やその財産や領地を守るのが自分の使命とつねに胸の奥底で静かな炎を燃やし、注意深く生きている。遊び好きで、朗らかで、フレンドリーな犬を望むなら、秋田を選ぶべきではない。
また、そういう犬種であることをきちんと理解し、他者に対して事故を起こさないように、十分気をつけて飼養することが重要である。もし、何か事故があったとしたら、それは秋田犬のせいではない。他人が手を伸ばせば触れる場所に秋田をつないだり、他人が手を入れられる犬舎や庭に置いた飼い主が悪い。事故が起きる可能性を予見できる能力が飼い主にないのなら飼ってはいけない。
そして念のために付記するが、秋田に限ったことではないけれど、よその犬に対して、許可なく「カワイイ〜」などと頭を撫でようとするのは、手を出した人も悪い。飼い主側は散歩中に、他者に対して十分に配慮して、距離をとって歩いているのに、「コワイコワイ」「凶暴そうね」「咬むの?」などと言いながらわざわざ近寄ってくる人がいる。非常に迷惑な人である。近寄る方にもマナーとモラルと相手(犬や飼い主)に対する敬意が必要だ。
抜け毛は非常に多い
雪深い気候にも耐えられるダブルコートの被毛なので、抜け毛はとても多い。とくに春と秋の換毛期は大量に抜けるので、毎日ブラッシングが必要。日本犬はどの犬も抜け毛は多いが、その中でも秋田は大型犬で体表面積が大きい分、抜ける量も多い。庭での飼育でも抜け毛は溜まるが、室内飼育をする場合は、掃除機がけも大変な作業になる。
ただ日本犬は、日本の風土にはあっているので、ほかの北方スピッツ系の犬(ハスキーやサモエドなど)に比べれば、似たようなダブルコートであっても、それほど暑さや湿度に特別に弱いほどではない。もちろん配慮は必要だが、日本の気候には適応できる。
しかし秋田でのデータは少ないが、柴などは、ハウスダストなどのアレルギーが多いとされ、皮膚炎になる犬が少なくない。なまじ日本の風土に適合してきた日本犬だけに、密閉度の高いマンション住まいは少々苦手かもしれない。そう考えると秋田も、日本犬の毛の質および体質から考えると、柴同様にアレルギーが出る可能性も想定できるので、室内飼育をするならば、なるべく窓を開けて通風をよくし、庭やベランダや屋上などでくつろぐ時間を増やして外気や日光に触れる時間を長く持つようにして、皮膚の健康を保つ予防に努めるとよいかもしれない。
このページ情報は,2014/11/08時点のものです。
本犬種図鑑の疾病リストは、AKC Canine Health Foundation、Canine Cancer.com、Embrace Insurance “Pet Medical Conditions”などを筆頭に、複数の海外情報を参考にして作られています。情報元が海外であるため、日本の個体にだけ強く出ている疾患などは本リストに入っていない可能性があります。ご了承ください。
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