犬の食事の中心的存在、それは肉。犬はそもそも肉食動物であり、これがなくては犬の体は成り立たない。大昔の犬たちは自分たちで狩りに出かけ、生活環境の中にいる小動物を中心に採って食べていたが、いまではそんな事は夢のまた夢。人から与えられるものが、彼らの食生活のすべてを支えている。
そんな犬の食卓事情を踏まえ、私たちは飼い主として犬にどんな肉を与えたらいいのだろう? スーパーマーケットに行けば私たちが食べる家畜の肉がずらりと並び、そしてネット上ではさらにいろんな肉が販売されている。それぞれの肉にどういう違いがあるのか、クローズアップしてみてみよう。
肉は、言うまでもなく動物の体の一部である。私たちが食べる赤身肉は動物の筋肉部分であり、私たちは筋肉以外にも肝臓や反芻胃(はんすうい)など内臓部分も食べる。食用に屠畜される動物は大きく分けると、牛や羊などの反芻動物、馬などの奇蹄類、うさぎなどの小動物、鶏や鴨などの鳥類がある。このほかにも近頃ではワニなど爬虫類の肉なども食用に流通しているが、とりあえずここでは、犬のフードに使われる肉類に限定してみてみたい。
牛肉
牛肉について
羊肉
もしも“ヘルシーな羊肉“のつもりでマトンを犬に与え続けていると、実は脂肪分をもりもり与え続けているということになる。気がつけば、生食で健康に気を使っていたつもりなのに、マトン肉を与え続けたことでかえって犬が太ってきてなんだか不健康そうな状態になってしまうこともありうるので、十分ご注意を。
羊肉について
鹿肉(ベニソン)
しかも、商業的に飼育される家畜の牛とは全く異なり、鹿は基本的に自然界で育つため、(生息地域の自然環境問題がないのであれば)残留薬物の問題が少ない。フードに使われるものの多くは、猟師が害獣駆除として仕留めた鹿の肉が流通している。栄養価が高く食肉衛生の問題が少ないが、ほかより価格が高いのが唯一のネックかもしれない。経済的な問題が許されるのであれば、犬に与えたい肉のおすすめNo. 1である。
とはいえ犬に与える際に注意したいのは、量を与えすぎないこと。含まれるタンパク質量が多めなので、よかれと思ってうっかりたくさん与えると、犬の消化能力を超えてしまって便がゆるくなることがある。
鹿肉について
馬肉
馬肉の残留薬物など食肉衛生についての話は、原材料紹介ページの「馬肉」の項をご参考あれ。(→こちら)
馬肉について
豚肉
豚肉について
ウサギ肉
ウサギ肉について
今回紹介したのはどれも哺乳類の肉であり、肝心なことは、これらの肉は犬の必須アミノ酸をカバーするアミノ酸組成であるということだ。多少の栄養価的な優劣もさることながら、食肉衛生の問題やコスト的な要因も絡んでくるし、そもそも愛犬が好んで食べるか食べないかがもっとも重要だ。なので肉選びというものは、なかなか容易には進まないのが現実だったりする。
ーーーーー後編につづく