バロック建築が威風堂々と軒並ぶ都市を眺めながら、
おそらくは昔から、それこそ太古の昔からあるであろう川岸の道を、
犬と連れ立って歩いている。
そこに住む人々にとってはごく当たり前の日常の風景かもしれないが、
全く違う文化や歴史を持つ日本人にとっては、
欧州への憧れがそのまま切り取られたかのようなシーンかもしれない。
実はこの写真を撮るとき、なぜかたいそうこの犬に気に入られてしまい、
しばらく付け回されたので、まったくシャッターを切れなかった。
飼い主との距離がかなり離れてから、名前を呼ばれて全力で戻っていって、
ちょっとだけ遊ばれたような、でもちょっと楽しい時間だった。
ドイツの日常を撮影する筆者は、1982年(戌年)生まれの写真家、タイナカジュンペイ氏。ハンブルクを中心に、氏が切り取るドイツの「ホントの日常」をどうぞお楽しみに。