街を散歩していたとき、
美しい姿勢で道の真ん中に座る犬を見かけた。
隣にも、同じ方向を見て丸くなっている犬が。
どっちも、きっと飼い主を待っているに違いない。
飼っている人なら分かりきったことだが、
犬の待つ姿勢にも個性があるのだな、と思った。
すれ違う人々に声をかけられたりもしていたが、
どちらも動じず、じゃれ合う様子もなく、敵意を見せるわけでもなく、
ただひたすらに同じ姿勢でおとなしくしていた。
飼い主の努力の賜(たまもの)ではあるが、
犬との信頼関係がしっかりと見えてくる。
寝ぼけ眼だった筆者も、背筋が伸びるというものだ。
ドイツの日常を撮影する筆者は、1982年(戌年)生まれの写真家、タイナカジュンペイ氏。ハンブルクを中心に、氏が切り取るドイツの「ホントの日常」をどうぞお楽しみに。