木々の葉が落ちると、夕闇が早く訪れるようになるが、
街にある広場では、今日も犬連れの人が集まる。
犬同士で駆け回ったり、飼い主とボール遊びをしたり、
人間の広場が、夕方を境に急に犬の遊び場となるのだ。
そんな楽しげな雰囲気を、初老の男性が見ている。
隣には、じっと佇んで主人を見つめる犬。
互いに視線も合わさず、何も語らず、
ただその場に佇んでいるだけ。
まるで周囲の喧噪が一切関係のないことのようで、
ただふたりでそうしていることが自然であるようだ。
人と犬との、目には見えない絆が感じられた。
ドイツの日常を撮影する筆者は、1982年(戌年)生まれの写真家、タイナカジュンペイ氏。ハンブルクを中心に、氏が切り取るドイツの「ホントの日常」をどうぞお楽しみに。