犬と一緒に野球観戦を！　オリックス・バファローズに感謝の一日

今回のイベントの舞台となる「ほっともっとフィールド神戸」。ここに犬と一緒に入れるなんて　(C) ORIX BUFFALOES.

　犬と暮らす皆さんの多くは、きっとどこにでも犬と行きたい人達だろう。まだまだ日本は犬との暮らしに優しくない街が多いとはいえ、一時に比べれば状況はかなり改善され、ネットでちょっと探せば、愛犬と同じ体験を共有できる場所も多い（内容によるけど、たぶん犬だってそれは楽しいはずだ）。まぁ大型犬になるとまだまだだけど。

　今回紹介するのは、愛犬と一緒に野球観戦が出来るという割と珍しい試みのイベントで、犬OKの球場を作ってくれたのは、オリックス・バファローズ（以下オリックス）。オリックスは、実は2015年10月27日に球界初のペット限定ファンクラブ「Bsわんにゃんクラブ」（“にゃん”も入ってるのが地味にすごい）をリリースしており、今回の“ペットと一緒に野球観戦”はその活動の一環となる。
　ちなみにBsわんにゃんクラブは、年会費2500円でグッズプレゼントの特典があるようだが、このグッズがボールペンとかタオルとかそういうレベルのものではない。球団ロゴ入りの犬用洋服（ファンなら必携）または犬用クッションとなっており、言い方が変だがこれだけで元が取れるような気がしないでもない。ウェアのサイズも非常に細かくあって、「あればいいんだろ」的なやっつけ仕事じゃないこともよく伺える。

オリックス・バファローズ公式サイト

Bsわんにゃんクラブ

入会グッズの詳細

　さてこのBsわんにゃんクラブだが、その名前とは裏腹にペットの種類は問わない模様。犬や猫はむろんOKで、入会時の「ペットの種類」を書く欄に「犬・猫etc」と書いてあるので、フェレットとかイグアナとか文鳥でもよさそうな気がする。そしてそのBsわんにゃんクラブの活動の一環として今回、“ほっともっとフィールド神戸”の埼玉西武戦で、「BsペットDay2016」が開催される。
　ペットDay2016は、犬または猫と一緒に野球が観戦できるというイベント。実はこれ自体がそうとうレアケースであって、球界ではおそらく（筆者の知る限り）初めての試み。むろん犬と一緒に入れるエリアは指定されているが、公式サイトによれば

　1塁側内野自由席（下段）の指定エリア
　・内野寄りエリア／小型犬･中型犬･大型犬･猫
　・外野寄りエリア／小型犬･中型犬･猫

とのことで、狭いところにぎゅうぎゅうに押し込められたり、観戦とは名ばかりのあんまりよく見えない場所に追いやられたり、そういうことはまったくなさそうだ。筆者はあまり野球観戦に詳しくないのだが、もしかして1塁側内野自由席って結構いい位置なのでは？
　しかも“抱っこ犬”である小型犬だけが許されているわけではなく、読めば分かるように大型犬もOK。ちゃんと公式サイトに「シベリアンハスキー・紀州犬・ラブラドール/ゴールデンレトリバー・秋田犬・グレートピレニーズ・セントバーナード・土佐犬など」と明記してあり、公共の場では肩身の狭い思いをしがちな大型犬オーナーも、心置きなく参加できる。しかもなんと、試合前にグラウンドで散歩できるという超特典付き（もちろんオスでもメスでもマナーパンツの着用が条件だ）。プロ野球のグラウンドを散歩できる機会なんて、まずないですよ。

BsペットDay2016公式サイト

撮影場所はちょっと違うけど、こんな風景を愛犬と共有できるわけだ。野球ファン（とりわけオリックスファン）の人はこの機会をどうか逃さず！　(C) ORIX BUFFALOES.

　料金体系などは公式サイトを見てほしいが（確かにちょっと高いが、その価値はありそう）、なにしろ普通の犬なら絶対経験したことのない初めての場所で、しかも周りには多くの違う犬がいる。しかも試合中の音や歓声や空気感は、人でさえ高揚するのに、犬に影響を与えないはずもないだろう。もしかしたら、隣には猫がいるかもしれないし。
　公式サイトにも「狂犬病およびワクチン接種済みであること」「必ずリードを着用して離さないこと」「排泄物の処理は飼い主が必ず行うこと」など常識的な注意書きは書いてあるが、

　・非日常の空間での愛犬のパニック
　・ほかの犬との争い
　・ファウルボールなどの危険物

については、注意しすぎるくらい注意してあげてほしい。

　ザッと調べた感じ、このイベントは本当に初めての試みの模様で、イベントの1回目が与える影響は大きい。
　事故もなく、排泄物もちゃんと片付けて、楽しく愛犬と野球観戦をして、オリックスが「また今度やろう」と思えるイベントにして、今後頻繁に開催してくれるような行動を取るように心がけたい。皆がそれを心がければ“愛犬家“のイメージアップがなされていくだろうし、結果としてそれは、ペットと共生しやすい社会へとつながっていく。そう、我々自身のためになるアクションになるのだから。

関東在住の筆者は間近で見たことすらないのだが、公式サイトの紹介を見る限りはショップやレストランも充実。ご家族連れでぜひどうぞ。(C) ORIX BUFFALOES.

BsペットDay2016公式サイト