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小川が流れる公園のベンチに座っていると、
突然、視界にボールが飛び込んできた。
そしてそれを追って、ものすごい勢いで犬が駆け抜ける。
一瞬でボールを拾い上げて、
嬉々として飼い主のところへ持って行くのだろうと思っていたら、
帰るのを忘れて草むらの中で何かを探し回っている。
期待を裏切られて思わず笑ってしまうと、
飼い主がこちらを見て「いつもそうなの」と微笑み返す。
ようやく犬が飼い主のところへボールを返すと、
すぐさま次を要求する。いつだって準備万端!
大きく振りかぶった飼い主は、投げる振りだけ。
飛んで行ったであろう方向へ思い切り駆け出す犬。
もちろんボールはまだ飼い主の手元に。
投げていないことにようやく気付いた犬が、
「もう!」と感情をあらわにするように飼い主へ詰め寄る。
そうして今度こそ投げてもらって、ボールをキャッチ。
このやりとりが何度も繰り返される。
犬の表情を見ていると、
絶えず真剣で心の底から楽しんでいるようだ。
こうまでのめり込めるは、うらやましいし、気持ちが良い。
ドイツの日常を撮影する筆者は、1982年(戌年)生まれの写真家、タイナカジュンペイ氏。ハンブルクを中心に、氏が切り取るドイツの「ホントの日常」をどうぞお楽しみに。