統計的に見て犬の数は微減傾向にあるものの、逆に犬一頭あたりにかけるコストは上がっている。フードや獣医療、予防注射、洋服、おもちゃ、トリーツ、ペットシーツ、リード、カラー、トリミング……そういった必需品はもちろんのこと、犬を撮るためのカメラを新調したり(我が家のことだ)、どうしても家をあけなくてはいけないときにペットホテル/シッターに預けたり、そういったものも無視できない。
それでもなお飼い主としては、愛犬のために時間とお金をつぎ込んでいくわけで、それに応えるかのように、さまざまな商品やサービスがマーケットに登場する。この「Anicall」の製品群も、そんな商品の1つだ。
※1000名プレゼントについては記事末をご覧ください
Anicallのコーポレートサイト
Anicallサービスのユーザー向けサイト
当時は画期的で、2002年度のイグノーベル賞まで受賞した製品だが、あの製品には「吠えないと機能しない」という致命的な(?)問題があった。当時のテクノロジーではそれも致し方ないが、例えば我が家のイタグレのように「まったく吠えない犬」では、何も機能しないというちょっと悲しい事態になる。
あれから12年。
携帯電話を例にとるまでもなくテクノロジーは驚くばかりに進化したが、ついにそれが犬用グッズにも搭載されることになった。それがこの「つながるコル」に始まる一連の製品群だ。
公式サイトを見てもらえると分かるが、提供されている(される予定の)製品は大きく3つ。順番に見てみよう。
1)動物SNS機能と迷子探索機能 「つながるコル」
2)動物の気持ちが分かる機能 「しらせるアム」
3)動物の体調を見守る機能 「みまもるヴォル」
2)動物の気持ちが分かる機能 「しらせるアム」
3)動物の体調を見守る機能 「みまもるヴォル」
つながるコル:動物SNS機能と迷子探索
最初に登場した製品で、2015年4月1日から順次発送予定。価格は(公式サイトの販売ページでは)税込3450円となっており、手の届きやすい価格帯だ。割と「Fun to use」の要素が強い、コミュニケーションツールの一種だといってよいだろう。重量も10g程なので、重くてつけられない……ということもない。首輪部分の大きさを考えると、チワワなどの超小型犬ではちょっと厳しいかもしれないが。ちなみにユニット部分だけの寸法は、直径31mm×厚さ10.5mmとなっている。重要なのはユニット部分なので、自分でケース(?)を作ってもよいかもしれない。そして5月ごろを目処に、この「つながるコル」の猫用を作っているとのこと。賛否両論あれど“半野良”の猫はまだまだ多いし、完全な室内猫だとしても、万が一何かのはずみで外に出てしまったら、野良の縄張りを迂回してるうちに帰れなくなってしまうこともあるので、猫用は割と需要が高いように思う。猫用は「同等の機能で小型化したもの」(Anicall社談)とのことで、サイズも、直径25mm×厚さ8mmの重量6gとなるようだ。感覚的には“一回り”小さくなる感じで、これなら超小型犬にも付けられるサイズかもしれない。
しかもこの猫版,小さくなったばかりか、新しく外部気温センサーが内蔵されている(なるほど、意図としては外猫用なのだろう)。ダウンサイジングしたばかりか機能追加されており、エンジニアの人には頭が下がる。
また、スマートフォンと接続しておくとさらに使い道は広がる。専用アプリから友達検索などもできるほか、もし万が一愛犬が迷子になったときも「迷子登録」をすれば、すれ違ったことのあるユーザーや同じアプリを使っているユーザーに、愛犬の迷子を告知できる。犬の迷子捜索は、よくTwitterやFacebook、ブログなどを通じて協力者をつのっているが、それがアプリで一発で出来てしまうというのは、普及さえしてしまえばかなり有意義なツールになりうる。Bluetooth LEという規格は驚くほど電池が持つので、ボタン電池(CR2032)1つで約1年間の動作も可能だ。いざというときに「電池がない!」ということもまずないだろう。
また、自身がBluetoothという通信モジュールを内蔵しているため、自分を中心に20〜40mほどの範囲であれば、自力での捜索ができるのも嬉しいところだ。
迷子捜索依頼が出されている犬が近くにいると、アプリを起動していなくても通知してくれる |
むろん、地図で詳細な位置を表示することもできる。これは便利 |
しらせるアム:動物の気持ちが分かる
ここから先は「まだ製品化されていない」ものなので、写真が一切ないがご容赦いただきたい。「しらせるアム」は、遅れること2か月の2015年6月に発売予定の製品。「つながる」の機能に加え、運動量センサーを搭載して、愛犬の活動量を測定できる機能が追加されている。
しかも単に運動量測定機能が追加されているだけではない。最先端の6軸センサー(移動方向/向き/回転だけでなく、移動距離やその速度までもが検出できるセンサー。昨今ではスマートフォンなどに搭載されている)を使い、犬の“動き”を精密にキャッチしてその行動を解析して、“犬の気持ち”を表示してくれる。かつてのバウリンガルの「超アップグレード版」とも呼ぶべき製品だ。
しっぽを振ったりあくびをしたり、犬は気持ちが挙動になって表れることが多いが、現在はさまざまな犬にこれを付けて、いろんな状況でのセンサーデータを収拾し、そのデータを「気持ち」に結びつけるという作業を延々と繰り返しているとのこと。気持ちや欲求は「トイレに行きたいな」「そろそろ散歩の時間かなぁ……」など全部で20種類ほどを検知できるとのことで、ちょっと素敵なお遊びツールとしてはなかなか面白いものに仕上がりそうだ。なにしろ、吠えなくても気分が分かるのは大変嬉しい。
みまもるヴォル:動物の体調を見守る
個人的には、これが真打。運動センサーに加え、心拍数や体温などのバイタルデータも測定できるようにしたバージョンで、現時点では2015年7月が発売予定とのこと。上2つとは明らかに異なり、こちらは愛犬の健康に直結する素敵な製品だ。これを読んでいるみなさんには釈迦に説法だが、犬も猫も、言葉を発さないばかりでなく、体調が悪くてもギリギリになるまで飼い主の目にとまらないことが多い。「これはマズいのではないだろうか」と思って獣医に行ったらすでに手遅れだった……という話が意外に多いのが、犬猫など動物全般の病気についていえることだ。
例えば、真夏の暑い盛りに犬と散歩しているときなど(そもそも行くのが間違いだという話は置いておいて)、犬の心拍や体温などが急激に上昇していつもと違う値を示した場合には、スマホに「熱中症警告」という表示が出る、という具合だ。
確かに、目の具合や毛の具合、排泄物の具合などは毎日チェックするし、爪切りなどのときに全体的な雰囲気も見るようにしているが、毎日体温を測ったりはしないし、心拍数を計測することもない(普通はないだろう)。年に1回必ず血液検査はしているが、動物の病気は進行が早いことも多く、それだけで大丈夫だろうか、という心配もぬぐいきれない。その心配を根底から解消してくれる可能性があるというその一点で、大いに期待できる。
以上3製品、夏ごろまでお目にかかれないものもあるが、昔からよくある「首輪装着型デジタルアイテム」の中では飛び抜けた機能を誇るものだけに、期待も大きい。あとは、この手の製品はすべからくそうなのだが、もうちょっとデザインを多彩にしてほしいな……というのが正直な感想。まだまだそれどころではないと思いますが、ぜひともよろしくお願いします。
「つながるコル」を、インターペット会場で1000名様に無料配布!
この記事で紹介している「つながるコル」が、なんとインターペットの会場で無料配布されるとの情報を入手した。期間は4月3日〜5日の3日間で(一般公開日)、アンケートに回答してくれた先着1000名に無料で配布してくれるとのこと。登録からセットアップまでも同時にやってくれるようなので、スタッフは大変そうだが、興味のある飼い主としては非常に嬉しいところ。3500円ほどの商品を1000名に無料配布とは、なんとも太っ腹。しかしここまで記事を読んでいただけた方ならお分かりのように、使うにはスマートフォンが必要となるので、そこだけはご注意を。
また、会場ではこの「つながるコル」の迷子捜し機能を使ったイベントも行われる。アプリを使って会場内に設置した「迷子札」を5枚全部探すとグッズがもらえるというもので、実際の迷子探索機能を体験することが出来るというわけだ。
会期中にインターペット会場に行く人は、ぜひAnicallのブースを探して行ってみよう。同時開催イベントとして、日本最大級のドッグショーも行われることもあり、犬連れにはお勧めの3日間となっている。
Interpets(インターペット)
日程:2015年4月2日(木)〜5日(日) ※2日は業界関係者のみ
時間:10:00〜17:00
会場:東京ビッグサイト 東3ホール(東京都江東区)
公式サイト:http://www.interpets.jp/2015/
同時開催イベント:2015ジャパンペットフェア / FCIジャパンインターナショナルドッグショー2015
また、会場ではこの「つながるコル」の迷子捜し機能を使ったイベントも行われる。アプリを使って会場内に設置した「迷子札」を5枚全部探すとグッズがもらえるというもので、実際の迷子探索機能を体験することが出来るというわけだ。
会期中にインターペット会場に行く人は、ぜひAnicallのブースを探して行ってみよう。同時開催イベントとして、日本最大級のドッグショーも行われることもあり、犬連れにはお勧めの3日間となっている。
Interpets(インターペット)
日程:2015年4月2日(木)〜5日(日) ※2日は業界関係者のみ
時間:10:00〜17:00
会場:東京ビッグサイト 東3ホール(東京都江東区)
公式サイト:http://www.interpets.jp/2015/
同時開催イベント:2015ジャパンペットフェア / FCIジャパンインターナショナルドッグショー2015