dogg.me カメラは、iPhone/Android登場当時の遥か昔からある“犬が振り向く音を出して、愛犬がカメラ目線をくれるようにする”というスマホ用のカメラアプリだが、dogg.meのそれは、日本音響研究所が実証実験している本格的なものであるところがほかとは違う特徴だ。むろん単なる犬カメラではなく、ONE BRANDが運営する愛犬家向けSNSサイト「dogg.me」(ドッグミー)に投稿して愛犬家同士のコミュニケーションがはかれる(このSNSサービスは、Instagram的なデザインと使い勝手でよく出来ている)。
なお余談だが、この“犬が振り向くカメラ”というアイデアは、原案者は孫泰蔵氏で(あの孫正義氏の実弟だ)、2008年10月に世界で初めてApp Storeに登場している。今に至ってもなお通用するアイデアを7年前に出すあたり、さすがと言わざるを得ない。
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dogg.me紹介サイト
さてこのdogg.me、アプリ自体は2014年12月に登場したものだが、先頃そこに、iOS版で先行して「犬の顔認証機能」(かおマッチ)が搭載された。
……で、その機能は面白そうだけど何に使うの? というのが疑問なわけだが、この機能を使った新フィーチャーがアプリに3つ搭載された。順に紹介しよう。
1)迷子犬捜索
2)迷子犬報告/情報の拡散
3)似ている犬を探す
迷子犬捜索
よっぽどヒューマンフレンドリーな犬であれば近づいて保護できるかもしれないが、基本的には迷子犬は「(何かから)逃げたり」「迷子になってしまっておびえていたり」するもの。そうそう簡単に近づけるわけでもないし、音でこちらを向かせて顔写真を撮って……というのは、状況に制約はあるかもしれないが、有効な手段になりうる。
迷子犬報告/情報の拡散
dogg.me カメラというアプリの機能に引っ張られてしまう部分があるので仕方ないのだが、迷子犬は実際のところ顔まで撮影できるような状況は限られる気もするし、全体像も登録しておきたいところ。私が手伝った迷子犬捜索のときも、やはり「こんな感じの犬」という全体イメージで判断していた人が多かったし。
とはいえ全体の姿を登録すると、このアプリの機能をうまく生かせなくて、そこがちょっともどかしい。画像を2枚登録できるようにするなど、バージョンアップなどでなんらかの解決がなされることに期待したい。
似ている犬を探す
さて「会員数」と書いたことで想像できると思うが、これらは全部有料会員メニューとなっている。“迷子犬捜索”はさすがに無料会員でも使える機能だが、残り2つは、月額240円の「プレミアム会員」になれば使える機能なのだ(AppleやGoogleの値段は為替レートに左右されるので、将来的に上がったり下がったりする可能性はある)。
“楽しい機能”は有料でもよいけど、迷子犬登録は無料でもよかったんじゃないかなぁ……という気もするが、スマホというデバイス(道具)を使って犬ライフが充実するのは、なんであれ歓迎だ。犬との生活の大半は、卒業旅行やコンサートなどの“気合いを入れる”イベントではない日常の延長なわけで、しかも(人によるけど)その半分くらいは屋外であることも多い。常に持ち歩く道具であるスマートフォンとは非常に相性がいいのだ。
そしてなにより、前回紹介した「FINDOG」と共に、スマホを迷子犬捜索に生かすというアプローチも魅力的だ。迷子犬の捜索は、とうてい一人では出来ないし、共に探してくれる仲間がいても、なかなか良い結果は出ない。一人でも多くの人が、“軽い気持ち”で捜索に参加してくれるのであれば、こんなに心強いことはない。
今後も着実なバージョンアップを重ね、ONE BRAND本誌共々、犬飼いの人の良き情報源となってくれることに期待したい。