“ドッグフードのプレミアム化が進んでいる”……とは、いろんなマーケティング会社のあらゆる調査データが述べるところだが、そこで言う“プレミアム”の定義はさておき、以前にも増してプレミアムフードを出展するブースが増えたなぁというのは、実際にインターペットに行って実感したことだ。
日本であまり名の知られていない(“本当の意味での”プレミアムの)フードはまだまだいくつもあって、派手な宣伝を打たないのでそういうフェアやエキスポなどでしか知る機会がなかったりするのだが、それは大変にもったいない。そんな製品の中から、今回は「ハッピードッグ」を紹介しよう。実は、2年前の2013年から国内販売をしている製品だ。
ハッピードッグ公式サイト
dogplus.me内のハッピードッグ製品情報一覧
インターペットにおいて、こじんまりとしたブースでサンプルフードを配っていた「ハッピードッグ」は、日本ではワールドプレミアム株式会社が日本総代理店となっている。注目を集めるネーミングではないしブースは小さいし、素通りしてしまった人もいるかもしれないが、このハッピードッグこそが、犬の王国ドイツで相当な人気を誇るドッグフードなのだ。ブースの大きさに惑わされてはいけない。
聞いてみたところドイツに住む犬飼いの知人も「ハッピードッグは相当オススメできる製品」と述べていたし、ブースで担当者が謳っていた「ドイツでの人気No.1」も伊達ではなさそうだ。
なんでもかんでも無闇にドイツ製を信奉するのは犬業界の悪い癖だと言う意見も中にはあるが、実際問題としてドイツには、「ペットフードであっても人間用の食材を使わなくてはいけない」という法律がある。業界団体の推奨どころではなくて“法”である。そういった、法での食品安全性の担保だけでなく、品質やセキュリティなど多岐にわたって厳しく定義されているGFSI(国際食品安全会議)が認定する規格である「IFS」(ドイツ/フランス/イタリア小売協会が発行している)も取得しており、安全性とクオリティに関しては、相当な高いレベルで満たしている製品なのだ。
しかもドイツの検査は相当厳しいことで有名で、平然と抜き打ち検査が入るらしい。場合によっては「抜き打ち検査しますよー」とか連絡が入るどこぞの国とは違う。その規格を満たし続けているのは、相当な高レベルだと考えてよいだろう。
ちなみに、工場はバイエルン州にある。バイエルンはドイツ最大の州で、州都はミュンヘン。スイスおよびオーストリアの国境に位置しており、南部は山岳地帯になっているという風光明媚な観光の名所……らしい。もちろん筆者も行ったことがないので、Wikipediaの受け売りだが。ともあれ、そんな場所で作られている、本当の意味での自然派フード,というわけだ。
ほかにも、消化吸収率が90%以上であるとか、植物性グルテンが含まれていないとか、化学合成された着色料や香料、保存料などが一切使われていないとかそのあたりの“お約束”ともいえる特徴もフル装備だが、それらは、ドイツのプレミアムドッグフードであれば「さもありなん」という感じだ。
またパッと見では気付かないのだが、ほかのフードを使っている方は、ぜひ自分の買っているフードの原材料を見てほしい。「ビタミンA」とかEとかB12とか、「銅」「亜鉛」などがズラズラと書かれている部分があるだろう。これは、製造過程で破壊されるビタミンやミネラル類を、あとで“添加”して足している部分であり、おそらくは大半のフードにはこの列挙部分があるはずだ。
ところがハッピードッグには、この手の表記が一切ない。成分分析表を見れば分かるが、原材料リストの材料だけで、必要なビタミン/ミネラルをすべて賄っているということだ。栄養添加物が悪であると言うつもりはないが、入れないで済むのなら入れないに越したことはない。
dogplus.meでの製品一覧を見ると分かるが、ライフステージ別や犬のサイズ別はもちろん、ウェイトケア用や皮膚メンテナンス用など、割と細かく製品が分かれている。愛犬に合ったものが一つくらいは見つかるだろう。ウサギ肉やダチョウ肉など、少し変わった動物性タンパク源のフードもラインナップに用意されており、グルメや好き嫌い、アレルギーなどの対策にも抜かりはない。
ウサギ肉を使ったフードはこちら
ダチョウ肉を使ったフードはこちら
犬は自らしゃべって意志表示できない動物なので、人間がなんらかの研究を元にフードを作るしかないわけで、そこにはそれこそ千差万別のさまざまな説がある。そんな中でハッピードッグは「運動量の減少した現代の犬に、たっぷりの肉は必要ない」というコンセプトを標榜しているフードであり、それはもちろん、現代におけるさまざまな最新の科学的知見を基にした考え方なわけだ。
一般の飼い主には、それが「正しい」のか「間違っている」のかの正確な判断はつかないが、重要なことは“確固たるコンセプトを持ち、首尾一貫してそれを実践してフード作りをしている”ことであり、そういう意味においてもハッピードッグは、選択肢に入れるべき確かな製品だといってよいだろう。