ドッグフードには星の数ほど種類があるが、意外にも「肉そのもの」(=動物性タンパク質)のクオリティにこだわった製品というのはそんなに多くない。ちゃんとしたプレミアムフードであれば、もちろん皆そこにこだわりを持って作っているが、科学的根拠があるのかないのかよく分からない新奇の原材料を売りにしてみたり、よく見ると穀物ばっかりだったり、“新鮮なチキン”というキャッチコピーなのに原材料の4番目くらいにチキンが書いてあったりする、そういうフードも多い。
そんな状況に異を唱えるかのように、ちゃんとした肉を使って、かつ余計なものが入っておらず、ソツなく誰にでも安心できるフードがレッドハートから登場したので、ここで紹介しよう。
レッドハートと言われても「聞いたことないなぁ」という人もいると思うが、最近だとペットショップなどで広く見かけるナチュラルトリーツ「ニューヨーク ボンボーン」(NY BON BONE)の会社だというとなんとなく分かるだろうか(ちなみにこの製品、一般の小売店で普通に買えるトリーツとしてはかなりオススメ)。昨今では「ZiwiPeak」(ジウィピーク)の日本総代理店としても有名だ。
表立ってCMなどは打たないのでそこまで名を知られていないかもしれないが、実は創業から40年ほどが経つ、老舗のフード会社だ。今では有名な「ニュートロ(ナチュラルチョイス)」は、日本で最初にこのレッドハートが輸入販売を始めている(現在はニュートロ ジャパン合同会社)。
そして今回紹介する「Kia Ora」(キアオラ)は、そんな歴史ある同社の、初のオリジナルフードだったりする。
Kia Oraとは、ニュージーランドの公用語の1つであるマオリ語で「こんにちは」の意味(本当はもっと意味が広くて、全環境型の言葉のようだ。日本語で言うところの“どうも”に近いのかも)。さらに余談だがマオリといえば、ラグビーのニュージーランド代表が試合前に舞う民族舞踊「Haka」(ハカ)は、マオリ族の戦士の舞だ。
そんなニュージーランドに敬意を表したネーミングのこのKia Oraは、「犬の健康に必要な原材料のみの配合にこだわり、ニュージーランド産の自然放牧の良質なお肉を可能な限り多く配合することに集中して」作ったフードだ(公式サイトより引用)。「犬は肉食動物である」という大前提を基本コンセプトにして、穀類は一切使わず、動物性タンパク質は「単一肉原料+サーモン」だけに絞って、食物アレルギーにもある程度配慮できるようになっているのが最大の特徴だ。アレルギー源になりがちなチキンも使っていないので安心(鶏脂はタンパク質除去済なので、アレルギー反応をまず起こさない)。
ちなみに全種にサーモンが採用されている理由は「アミノ酸スコアが100%」および「抗酸化作用が期待できるアスタキサンチンが豊富」のため。生きていくのに必要な必須アミノ酸のバランスが最良だということで、かつカロリーが低く、DHAやEPAも豊富なのだ。
「普通に安心して与えられて、余計なものが入っていなくて、ちゃんとした肉が入っているフードはないのかな……」と思っている人にぜひオススメ。同じレベルのクオリティでタンパク質違いが3種類用意されているのも便利で、フードローテーションをしている人の候補としても万能だ。ぜひ一度手に取ってみてほしい。
レッドハードの人にいろいろと話を聞いてみたところ、「便の量が少なくなった」「便のニオイが軽減された」「皮膚・被毛の状態が改善されている気がする」などの反響がすでにいくつか寄せられているとのこと。むろんそれは、効果が目に見えて出やすい個体もいるという話だとは思うが、そういう部分で困っている人は候補に加えてもよいかもしれない。
……ところで公式サイトの端っこに、「4つの課題」というバナーがある。レッドハートが考えるKia Oraの問題点が4つ書かれているので、興味のある人はぜひ見てみよう。「これは仕方ないんじゃないのかしら」と思わないでもないが……。
Kia Oraシリーズ公式サイト
ニューヨーク ボンボーン(NY BON BONE)を楽天で買う
レッドハート公式サイト
ベニソン(Venison)
日本での鹿は害獣駆除の有効利用が主なのだが、Kia Oraで使っているベニソンは、自然放牧で育ったものであるとのこと。自然放牧であるがゆえに、ホルモン剤や抗生物質、成長促進剤などは一切使われていない。それが認可された牧場のみと契約しているとのことで、肉そのもののクオリティについてはまったく心配がないといえるだろう。
Kia Ora ベニソンを詳しく見る
Kia Ora ベニソンを楽天で買う
ラム(Lamb)
なお“ラム”という言葉の意味は国によって異なるが(こちら参照)、Kia Oraのラムは、自然放牧で育った生後12か月未満の羊であるとのこと。自然放牧であるがゆえに、ベニソン同様にホルモン剤も抗生物質も、成長促進剤も一切使われていない。
Kia Ora ラムを詳しく見る
Kia Ora ラムを楽天で買う
グラスフェッド ビーフ(Grass Fed Beef)
一般的には家畜の牛は穀物で育てられるわけだが(余談だが、世界で生産されるトウモロコシの60%以上は、人間用ではなく家畜の飼料として使われる。そして工業用に30%以上が使われ、人間が消費するのはほんの数%なのだ)、牧草育ちの牛肉はオメガ脂肪酸含有量が高く、ビタミンやリノール酸も豊富であるとのこと。