インターペット2017の会場でお披露目。登場したばかりの新製品だ |
“プレミアムフード”という言葉に明確な定義はないが、みなさんはそれを聞いてどんな製品を想像するだろうか。肉以外のタンパク質が入っていないフード? 着色料が使われていないフード? グレインフリー(穀物不使用)のフード? それとも、パッケージがオシャレで値段の高いフード?(あながち間違いでもない)
……身も蓋もないことを言ってしまえば、ドッグフードはある程度以上のレベルになると、ドッグフードという製品レベルとしての差はほとんどなくなってしまう。もちろん、栄養価には差があるし、使われている原材料にだって差はあるし、各社各製品、いろいろな工夫を凝らして差別化を計っている(差別化にあたって、キブル(粒)に色を付けたり、わけのわからない変なものを入れないのが真っ当なプレミアムフードだ)。
そんな過酷な競争の中、また一つこだわりのプレミアムフードが登場した。それがこの「Gather」(ギャザー)だ。Gatherはカナダ産のドッグフードで、種類は3種。「フリーエーカー(チキン)」「ワイルドオーシャン(シーフード)」「エンドレスバレー(ベジタリアン)」で、ベジタリアン仕様のフード(肉が含まれていないフード)があるのが特徴的。
Gather公式サイト
Gather紹介ページ(dogplus.me内)
チキンがメインの「フリーエーカー」 |
例えばオーガニック認証を鶏肉で取ろうと思ったら、まずもって成長促進のための抗生物質やホルモンはその使用が一切禁止されている。もうこの時点で、普通の養鶏場では無理。さらに(ここからは国によって若干の差はあるが)、一つの巨大な小屋に1000羽までしか飼育できない。ちなみに、いわゆる普通の密飼いのブロイラーだと、一つの小屋に3万羽、4万羽は当たり前だ。
当然鶏は放し飼いでなくてはならず、国によっては81日間飼育されなくてはならないという規則もある(普通のスーパーで売ってるチキンはおそらく42日程度で屠殺されて出荷されているものだ)。そんな条件を満たしたものが初めて「オーガニックチキン」と呼ばれる。
タラとオキアミがメインの「ワイルドオーシャン」 |
最近日本でもちょこちょこ聞かれるようになったこのMSC認証は、よく「海のエコラベル」という書かれ方をするが、端的に言うと「いつまでも魚を食べ続けることができるように、海洋の自然環境や水産資源を守って獲られた水産物」のことなのだ(WWFの紹介ページより抜粋)。
しかもこれ、単に「守ってます!」というだけではまったく許容されない。“業界自主規制”のような生易しいものではないのだ。まず漁業者がMSCの認証を受ける必要があり、さらには流通/加工業者もMSC認証を受ける必要がある(流通過程で、MSC認証ではない水産物が混じらないようにするためだ)。この両者が揃って、初めてMSC認証が与えられる。
さらに、MSCは審査基準がすべて明文化されているのだが、その審査基準を使って認定するのは、実はMSCではない。第三者の認証機関だ。さらに、その認証機関が正しい審査を行っているかどうかをチェックする認定機関がまた別に用意されている。3つの機関が相互に監視することで公平性と正確性を保っている「MSC認証」は、世界中で受け入れられている制度であり、環境に配慮した水産物だと堂々と言えるものになっているのだ。
割と珍しいベジタリアン仕様のフード「エンドレスバレー」 |
肉を使わないで何をタンパク源にしているのかというと、エンドウ豆だ(むろんオーガニック)。エンドウ豆のタンパク質は大豆のそれに比べて消化が容易で、リジンやアルギニンなど必須アミノ酸が多く含まれているので、植物性タンパク源として最適。
“大豆に比べて消化が容易”と書いてあることから分かるように、エンドウ豆と大豆は違うものなのだが(そもそも植物として違う。マメ科エンドウ属とマメ科ダイズ属だ)、大豆アレルギーには弱いながらも交差反応を示すので、大豆アレルギーの犬は注意されたい。
エンドウ豆詳細
オーガニックチキン、MSC認証のタラ、オーガニックエンドウ豆など、徹底してこだわりの原材料を使っているこのフード、確かにお値段はそれなりにするが、少しでも良いものを愛犬に与えたいと願う飼い主の、強い味方になってくれることだろう。チキンとタラのローテーションなども、よいかも?
インターペットでの展示ブースの看板を見ると分かるが、プレミアムフード「NOW FRESH」と同じ会社によって販売されている。「NOW FRESH」「go!」そして「Gather」と、こだわりのプレミアム3種を手がけているというわけだ |