Amazonレビューを見る限りでは、スマホでトリーツを出す機能が割と好評の模様 |
昨年秋に登場した、ペット用見守りカメラの「Furbo」(ファーボ)。スマホを使って外出先からトリーツをあげられるというちょっと変わった機能で耳目を集めた製品だ。この手のジャンルの競合は多く、このあとどうやって売っていくんだろう……と思っていたのだが、
・Furbo × OMUSUBI 犬助けキャラバン
・1 Post for 11(wan-wan)
など次々と保護犬への施策活動を打ち出し(Furboそのものも、保護団体に対しては貸してくれるらしい)、ちゃんとそういう「色」を持った製品になりつつあるようだ。
仕事場から愛犬の様子をチェックして、なんとスマホでオヤツまであげられる。世界で4000人が飛びついた、監視カメラの決定版(紹介記事)
Furbo公式サイト
そんなFurboが、また新しい保護活動への取り組みを発表した。それが今回の「Furbo ドッグカメラ -Donation Edition-」だ。読んで字のごとく、今回は割と(いい意味で)ベタな施策で、売れたFurbo1台あたり1111円を保護団体に寄付するというもの。
「なんだ1100円か」と思うかもしれないが、これ、本体価格2万7000円のうちの1111円なので、大体4%になる。よく「売上の1%を寄付します」とか「売上の一部を……」というキャッチは見かけるが(あの「一部」という書き方は不誠実だと思う)、4%というのは相当なものだ。また、仕事で数字を管理する立場の人であれば容易に分かると思うが、「売上の4%」というのは結構な額だ。それを、期間限定とはいえ寄付しようというのだから、もはやこれはCSR活動(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の一環ではなく、きっとこの会社のポリシーなのか熱意なのか、とにかくそういうものなんだろう。
ちなみに、この手の話でみなさんが気になる寄付先は、NPO法人Wonderful Dogs。通称ワンドク。2010年にNPO登記され、着実に成果を積み重ねてきている団体だ。公式サイトを見れば分かるが、いまどきの小洒落た手間のかかったサイトではないし、Topページに「譲渡○頭達成!」のような数字の売り文句も書いていない。しかしサイトの中身を見ると、「きっと真面目に活動しているんだろうなぁ」というのがよく分かる団体だ。有名どころの団体のような華々しい表立った活動はしていなくても、こういう質実さが今回の提携にいたった理由なのかもしれない。
我が家にはこの製品は必要ないのだが、この「スマホでトリーツを出す」機能だけはちょっと試してみたい…… |
「Furbo × OMUSUBI 犬助けキャラバン」のときは、組んだ先は読んで字のごとく「OMUSUBI」。「1 Post for 11(wan-wan)」のときは、「ちばわん」と、有名どころと組んできたFurboだが、今回は(いままでよりは)ローカルな保護団体へとその相手を移している。
この手の、企業と保護団体が共同作業をするプレスリリースが出るといつも思うのだが、保護活動全体の大局を見るならば、大手は組み先としてどうなんだろう? そもそも大手はお金(=活動資金)にあまり困っていないだろうと思うのだが(だから大手でいられるんだし)。いやもちろん左うちわで悠々と……などとは思ってはいないが、本当に困っているカツカツの、真面目に活動している団体がいくつもあるのだから、そこにお金が流れるような仕組みを作ってほしいと思う(その話を始めると、そもそも保護団体は一つにまとまればいいんじゃないだろうかとかいろいろ思うところはあるのだが、それはまた別な話)。
「殺処分ゼロ」というキャッチコピーが先行しがちだが、本質的な問題はそこではない。単に殺処分がゼロになるだけでない、抜本的な取り組みと並行して、地に足のついた確実な活動を続けていくという2本柱で進むべきだろう Dog in a Shelter / Spot Us |
そういう意味では、地味ながらもなかなかいい内容の取り組みに思える。期間は2017年7月上旬までで(6月26日時点では明確にされていない)、Furbo公式サイトまたはAmazonからの購入で寄付がなされるようになっている。その他のお店から買っても対象外なので、そこに注意。
一つ一つの活動は小さいものかもしれないが、こういうものがもっと広がって、いろいろな法人がCSR活動の一環として保護活動に目を向けて、民間連携での保護活動の活性化を担ってほしいと思う。
※あえてFurboそのものの説明はしてこなかったが、ちょっと気になった人は前回の記事を参照してほしい。「外出先でおやつをあげられる」だけではなくて、そのほかの基本機能も最新の機能も、これでもかといわんばかりに満載だ(それでいて設定は容易)。いま久しぶりにAmazonの販売ページを見てみたが、評価は4.5点と上々の模様。Furboが「出来ること」については、公式のプロモムービーを観るのが一番早いと思われるので、そちらも合わせてどうぞ。