エトキシキンの犬への毒性は顕著で、急性の毒性として食欲減退や体重の減少、肝障害や死亡するケースなどが見られ、高用量の投与になると腎臓障害や次世代への影響などが見られる。低用量であれば、長期で与えても臓器への影響はないとの報告1)に基づき、エトキシキンの使用量上限は毒性試験の結果に十分な安全係数をかけて設定されている。
使用量の上限は、エトキシキン単独ではなくBHA(ブチルヒドロキシアニソール)とBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)を合わせた量でフード100gにつき150μgまでとされている。2)
なおアメリカでは、アメリカへ輸入される魚粉は酸化防止剤としてエトキシキンが一定量添加されていなければならない3)。このことから、アメリカ製フードで魚粉が使われている場合、原材料一覧には書いてなくてもエトキシキンが入っている可能性があることは気をつけなくてはならない。
1)内閣府食品安全委員会事務局 平成 23 年度食品安全確保総合調査「エトキシキン」
http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=cho20120030001&fileId=03
2)環境省 ペットフード安全法 基準規格等[1]成分規格
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/petfood/standard.html
3)Code of Federal Regulations: 2003, TITLE 46, CHAPTER I, PART 148, Subpart 148.04, Sec. 148.04-9 Fishmeal or scrap, ground or pelletized; fishmeal or scrap,
ground and pelletized (mixture).
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/CFR-2003-title46-vol5/pdf/CFR-2003-title46-vol5-part148.pdf