カロテノイドとは自然に存在する色素の1つで、野菜や果物の赤や黄色といった色はこれに由来する。現在特定されているカロテノイドだけでも800種はあるといわれ、野菜や果物だけでなく鳥の羽や卵黄、昆虫など、自然界の鮮やかな色の多くはカロテノイドによるものである。数多くあるカロテノイド色素の一部は食品添加物としても認められており、その代表的なものとしてβ-カロチン(E番号160または160a)や、パプリカから抽出したパプリカ色素(E番号161c、別名カプサンチン)、エビや鮭などに含まれるアスタキサンチン(E番号161j)、ほうれん草や卵黄などに含まれるルテイン(E番号161b)、アナトー色素(E番号160b)などがある。
カロテノイド色素は天然色素のため、加熱加工されると退色する傾向にあるのが合成色素とは異なる点である。カロテノイド色素は体内において、その多くが抗酸化効果を持つ物質として働き、その最たるものはトマトから抽出されるリコピン(E番号160d)であるといわれている。ただし、着色料としてのカロテノイドの使用量は少ないので、栄養価や抗酸化効果は期待するほどのものではない。
なお、犬は食べ物に対する認識の仕方がヒトとは異なるため、ドッグフードに着色をしても犬には意味がなく、ドッグフードの彩りをよくし美味しそうに見せることは犬のためではなくむしろ飼い主へのイメージ的なアピールにすぎない。