プロピオン酸カルシウムをラットに給餌した試験で胃壁が肥厚したり炎症を起こすなどの報告があるが、マウスやウサギなどほかの動物種では同じような反応が見られないことから、これはラットに特化した反応とされ1)、またカルシウム補給を目的に行われたプロピオン酸カルシウムの牛への投与においても安全性が確認されている。一方でプロピオン酸をラットへ投与した試験では多動などの行動変化が報告されている2)ほか、犬へ給餌した試験では高用量時に食道粘膜に影響があったとの報告がある。3)
1)H.-G. Classen, P. S. Elias, W. P. Hammes, M. Winter: Toxikologisch-hygienische Beurteilung von Lebensmittelinhaltsstoffen und Zusatzstoffen. Behr's Verlag, 2001
2 )D. F. MacFabe et al. :Neurobiological effects of intraventricular propionic acid in rats: Possible role of short-chain fatty acids on the pathogenesis and characteristics of autism spectrum disorders. Behavioral Brain Research 176 (1): 149?169. 2007
3)一般社団法人 日本化学物質安全・情報センター OECD初期評価プロファイル 「無水プロピオン酸」
http://jetoc.or.jp/safe/doc/J123-62-6.pdf