アミノ酸とは窒素(N)を含む化学分子で、アミノ酸が多数結合してタンパク質が作られている。タンパク質を構成することができるアミノ酸は21種類、そのうちヒスチジンやリジン、スレオニンといった10種類のアミノ酸は、体の外部から摂り込まなければ体内で合成することができない必須アミノ酸である。
アミノ酸一般としてはそのほかに、グルタミン酸やイノシン酸などの旨味成分、タウリンやカルニチンなど機能性を持ったアミノ酸なども含まれ、アミノ酸バランスや旨味・機能性など添加目的によって、食品やフードに添加されるアミノ酸の種類は異なってくる。フードのパッケージに「アミノ酸類」と書かれただけでは、どのようなアミノ酸が加えられているかは分からない。
アミノ酸には、D-とL-という構造が鏡写しになった2つの異性体を持つものが多く、それらのアミノ酸のうちタンパク質の構成アミノ酸となるのはL-型だけであることから、食品やドッグフードに加えられるタンパク質構成アミノ酸は、何も書かれていなければL-型である。
アミノ酸にも所要量はあるが、所要量以外に、体に必要な必須アミノ酸のバランスが取れているかどうかも重要である。動物性タンパク質がフードの中心原料であるならば、とくに気を配ることはあまりないが、穀類中心のフードの場合、穀類だけでは犬が必要とするアミノ酸バランスをすべて十分にカバーできないことがあり、そのため不足しているアミノ酸を添加してバランスを取っていることがある。しかし、どのアミノ酸が加えられているかについては、上記の通りパッケージの表示からは判断できない。