リジン(旧名リシン、Lysine、略号:LysまたはK、化学式:C6H14N2O2)とは、アミノ酸の一種。タンパク質を構成するアミノ酸の1つで、特に動物性タンパク質によく含まれる。工業的には、酵素などを用いて屠畜副産物を発酵・分解することで得られる。穀類には含まれる量が少ないことから、穀類中心のドッグフードなどで、犬の体が必要とするアミノ酸バランスを取るために加えられることがある。
リジンは犬の体の中で合成することはできず、食餌として外部から取り込まなければ賄うことができない10の必須アミノ酸の1つに数えられる。体内に入ったリジンは代謝され、筋肉などのタンパク質になるほか、結合組織や軟骨・骨格を丈夫に保つコラーゲンや脂肪代謝に重要な役割を果たすL-カルニチン、血液凝固因子のフィブリノゲンやトロンビンなどにも作り替えられる。リジンはまた、ヘルペスウイルス(ケンネルコフの原因ウイルス)に対する予防と治療にも用いられる。