
シスチンにはD-とL-いう構造が鏡写しになった2つの異性体があるが、タンパク質の構成アミノ酸となるのはL-型だけであることから、食品やドッグフードに加えられるシスチンは何も書かれていなければLー型である。
ダックス・フント、アイリッシュ・テリア、ブルドッグなどの犬種では、シスチンの再吸収障害が遺伝性疾患のシスチン尿として知られている。シスチン尿は尿結石の一種で、水溶解性の低いシスチンが腎細管や膀胱で結石を形成する疾患である。シスチン尿の傾向がある犬には、シスチンだけでなく、シスチンと同じく硫黄を含むメチオニンが添加されたフードを与えることや、高タンパク質あるいはフェザーミールなどシスチンやメチオニンを多く含む原料の入ったフードを与えることは、シスチン尿のリスクを上げることになるので避けた方がよい。