
フェニルアラニンは犬の体の中で合成することはできず、食餌として外部から取り込まなければ賄うことができない10の必須アミノ酸の1つに数えられるが、一部をチロシンによって代替することも可能である。
フェニルアラニンは、ドーパミンやアドレナリンなどカテコールアミン(脳内ホルモン)の原料となるアミノ酸で、これらカテコールアミンは中枢神経(脳と脊髄)そして副交感神経における神経伝達物質としての大事な役割を果たすことから、トリプトファンと並び犬の行動に関与するアミノ酸に数えられる。
トリプトファンがセロトニンの原料となり心理バランスを取るのに対し、フェニルアラニンはアドレナリンやドーパミンの原料となり、過剰に摂ると興奮しやすい傾向を作る。
またフェニルアラニンは、体内でチロシンへの変換を経て黒色と茶色の色素ユーメラニンにも変換されるので、犬の色素を濃く自然に保つためにフードに加えられることもある。