砂肝は「肝」とは書かれるものの、歯を持たない鶏が、摂り込んだ穀類などを砕くために発達した筋肉を持つ鶏の胃袋である。穀類などを消化するために鶏は石や砂を飲み込み、この砂肝の筋力で擦り砕く。そのために砂肝の内部は表面が合わさり、外側に筋肉と筋が盛り上がっているような形をしている。硬い石や砂などを擦っても表面が傷まないように、砂肝内部表面には硬いクチクラ層があるが、クチクラ層は爪などと同じく食用には向かないので、食肉加工段階でクチクラ層が剥がされたものが、レバーや心臓などとともに鶏の内蔵(モツ)として食用にされる。
砂肝は筋肉質で食感が硬く、リンを含むミネラル類やビタミン類など、正肉よりも含まれる量が少ない。また、脂肪分も1.8%と少ないことからカロリーも低く、スーパーなどで安価に入手できることもあって、乾燥させて歯ごたえのある犬の手作りおやつにもよく用いられる。
砂肝は、犬の食餌の中心となるササミを含む胸肉やモモ肉などの正肉よりもリンの量が少ないとはいえ、その量に伴い骨やミネラル剤などを加えてカルシウムとのバランスを取ることに気を配らなければならない。