鶏肉で内臓(別名:モツ)と呼ばれるのは主にレバーや砂肝(胃袋、別名:筋胃)、心臓であるが、軟骨や卵巣を含むこともある。これらは正肉と呼ばれる胸肉(ササミは胸肉の中でも一番内側にある軟らかい筋肉部位を指す)とモモ肉、骨の付いた手羽とともに日本では食用にされる。
砂肝は別名筋胃あるいはすなずりとも呼ばれ、歯を持たない鶏が摂り込んだ穀類などを砕くために発達した消化器官である。筋肉質で食感が硬く、リンを含むミネラル類やビタミン類など、正肉よりも含まれる量が少ない。また、脂肪分も1.8%と少ない。
鶏の肝臓(レバー)はモモ肉と同じ約18.5%のタンパク質を多く含むが、ほかの正肉や内臓肉よりも多くのリンを含む。鉄分や亜鉛、銅等の微量ミネラルを含むほか、ビタミン類も豊富に含むが、中でもとくにビタミンAは牛レバーの10倍以上、豚レバーよりも10%程度多く含まれている。
鶏の心臓は、心臓の表面に多く脂肪が付いていることからモモ肉と同じくらいの脂肪分(約15%)があり、そしてその分タンパク質量は少なくなっている。ビタミンB1、B2、B12と葉酸、パントテン酸に富み、また脂肪分の約8割は不飽和脂肪酸である。
レバーや心臓などの内臓は、犬の食餌の中心となるササミを含む胸肉やモモ肉などの正肉とともにリンを多く含むため、その量に伴い骨やミネラル剤などを加えてカルシウムとのバランスを取ることに気を配らなければならない。
鶏の軟骨もまた内臓に数えられ、軟骨には12%ほどのタンパク質が含まれるほか、正肉や内臓肉に比べ多くのナトリウムを含む。また軟骨に期待されがちなカルシウム量は、正肉の約10倍程度に留まり、リンよりも含まれる量がすくないため、カルシウム源としては向いていない。