食用家禽の飼育方法は平飼いだが、平飼いのうち室内・戸外を組合わせたものを特に放飼いといい、家禽の種類、生産地により屋内のみの平飼いや放飼いなど飼育方法は様々である。
家禽の肉として食べられるのは正肉と呼ばれる胸肉とモモ肉が主で、鶏を始めカモや七面鳥、ガチョウなどではレバーや砂肝(胃袋、別名:筋胃)、心臓などの内臓(別名:モツ)も食用にされる。
家禽の肉の中でも特にカモ肉(皮なし)と七面鳥は、まず牛肉や豚肉に比べ脂肪分がカモ3%、七面鳥0.9%と少なく、タンパク質含有量がいずれも約23%と高い。しかしアヒルの肉は脂肪分が40%を超え、タンパク質は約12%と極めて少なく、同じ家禽でも肉の質に大きな差がある。
家禽の肉に含まれる脂肪は、そのうち約3分の2は犬の体に必須のリノール酸などの不飽和脂肪酸であることから、同じ脂肪分でも中性脂肪を多く含んでいる牛脂やラード(豚の脂)に比べ良質といえ、有用な意味を持つ。
またカモは、その肉の色の濃さからも分かるように、鉄分を多く(4.3mg/100g、牛レバーの鉄分に匹敵)含み、また水溶性ビタミン(B、K、葉酸など)も豚肉並に豊富である。
家禽ミートという呼び名は鶏肉と同様に、日本国内、AAFCOともに羽、頭、足、内臓を除いた骨付きまたは骨なしの清潔な肉と皮のことで統一されている。1)
1)AAFCO 2010 Official Publication Chapter Six 9.0- Animal Products