羊のレバー(生)は、仔羊・成羊ともにタンパク質約20%、脂肪約5%を含む。ほかの動物のレバー同様、ビタミンAが豊富だが産地・品種・年齢によって差があり、一般的には成羊レバーよりも仔羊レバーの方がビタミンAを多く含む(例:ニュージーランド産仔羊レバー31400μg/100g、ドイツ産仔羊レバー19895μg/100g、ドイツ産成羊レバー10450μg/100g、アメリカ市販ラムレバー2)7391μg/100gなど)。ビタミンB12と銅はほかの動物のレバーよりも多く含まれ、消化も良い。ただし、屠畜時の状態によってはグリコーゲンを2%程度含むことから、多量に摂ると便が緩くなることがあり、また赤身肉同様に、主要ミネラルの補給なしでレバーのみ与えることは避けるべきである。
レバーは臓器の中でも解毒を行う器官であり、飼育期間中に羊に投与された薬物や、羊が摂り込んだ物質の代謝が行われる場所である。飼育環境がそのままレバーの質として反映されやすいだけでなく酵素が豊富なことから、できるだけ良質で新鮮なものを選びたい。
1)Code of Federal Regulations 7:XI:1280.111
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/CFR-2005-title7-vol10/pdf/CFR-2005-title7-vol10-sec1280-114.pdf
2)アメリカではすべての羊を「ラム」と呼ぶので、成羊なのか仔羊なのかは不明。数値から推測すると成羊だと思われるが断言は出来ないので、このような表記になっている。
USDA Nutrient Data Laboratory: Lamb, veriety meats and by-products, liver, raw
http://ndb.nal.usda.gov/ndb/foods/show/5168