アメリカを除く英語圏・ドイツ語圏などでラム(英Lamb、独Lamm)と呼ばれるのは性成熟前の羊(学名Ovis orientalis aries、ウシ科ヤギ亜科)のことで、ラム肉として流通しているのは生後12か月までの羊の肉である。その中でも生後6か月(離乳期)までの仔羊を特にミルクラムと呼び、生後13か月以上の永久門歯を2本以上持つメスまたは去勢オス羊をマトン(Mutton)と呼ぶ。アメリカでは年齢に関わらずすべての羊に対し「ラム:Lamb」という名称を用いるので1)、フードの原産国により「ラム」が仔羊であるか成羊であるか異なる。
羊の腎臓はソラマメのような形をしており、仔羊・成羊ともに腎臓(生)にはタンパク質約16%、脂肪約3%が含まれる。ナトリウム量は仔羊150mg/100g、成羊240mg/100gと、赤身肉の50-70mg/100g(部位によって異なる)や心臓(仔羊89mg/100g、成羊118mg/100g)に比べ非常に多く含まれている。
赤身肉と同じくらい消化が良いが、腎臓はレバーと並び臓器の中でも解毒を行う器官であり、飼育期間中に羊に投与された薬物や、羊が摂り込んだ物質の代謝が行われる場所である。飼育環境がそのまま腎臓の質として反映されやすいので、できるだけ良質で新鮮なものを選びたい。
1)Code of Federal Regulations 7:XI:1280.111
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/CFR-2005-title7-vol10/pdf/CFR-2005-title7-vol10-sec1280-114.pdf