私たちの食卓に上がる牛肉(英名Beef)は牛(学名Bos primigenius taurus)の肉で、牛はウシ目ウシ科に属する草食動物であり、4つの胃袋を持つ反芻動物である。現在家畜として飼われている牛は、紀元前9世紀頃にオーロックス(学名Bos primigenius)の家畜化に始まり、130品種を超える。世界的に見て牛の飼育方法はその飼育目的によって異なり、搾乳目的の牛(乳牛)では畜舎飼い、食肉目的の牛(肉牛)では繋ぎ飼い・畜舎飼い・放牧が主だが、乳・肉いずれの牛も、オーガニック飼育であれば放牧飼育がなされるのが一般的である。
牛の心臓には、タンパク質約16%、脂肪約7%が含まれる。ナトリウム量は脂肪量が同じ赤身肉(約50mg/100g)より少々多めの70mg/100gで、腎臓(80mg/100g)よりも含まれる量は少ない。心筋は筋肉と同じ横紋筋で、良質のタンパク質源。筋肉よりも筋繊維が密で、歯ごたえがある。牛の心臓は、日本では高級グルメ素材としても扱われる。
なお「フリーズドライビーフハート」のフリーズドライとは、冷凍乾燥技術のこと。冷凍により肉に含まれる水分を飛ばし、長期保存できる乾燥物を作る際に用いられる食品加工技術の一つである。冷凍乾燥法は、加熱乾燥法に比べ素材を変性させたりすることなく乾燥でき、旨味や風味・栄養素を損なわないことから食品分野で広く好まれている加工方法であるが、噴霧乾燥(スプレードライ)や加熱乾燥法などほかの乾燥方法よりも生産効率が低いのでコスト高であり、原料である牛の心臓自体すでに高価であるのも加え、フードへ使用する場合はさらに高級素材といってよいだろう。