私たちの食卓に上がる牛肉(英名Beef)は、その名のとおり牛(学名Bos primigenius taurus)の肉。牛はウシ目ウシ科に属する草食動物であり、4つの胃袋を持つ反芻動物である。現在家畜として飼われている牛は130品種を超える。世界的に見て、牛の飼育方法はその飼育目的によって異なり、搾乳目的の牛(乳牛)では畜舎飼い、食肉目的の牛(肉牛)では繋ぎ飼い・畜舎飼い・放牧が主である。いずれの牛も、オーガニック飼育であれば放牧飼育がなされる。牛のレバー(生)は、タンパク質約20%、脂肪約5%を含み、ビタミンAが豊富であるが産地・品種・年齢によって差がある(例:和牛1100μg/100g1)、オーストラリア産13877μg/100g2)、ドイツ産17900μg/100g3)、アメリカ産4968μg/100g4)など)。ビタミンB12と銅がほかの動物のレバーよりも多く含まれ、消化も良い。ただし、屠畜時の状態によってはグリコーゲンを2%程度含むことから、多量に摂ると便が緩くなることがあり、また赤身肉同様に、主要ミネラルの補給なしでレバーのみ与えることは避けるべきである。
レバーは、臓器の中でも解毒を行う器官であり、飼育期間中に牛に投与された薬物や、牛が摂り込んだ物質の代謝が行われる場所である。飼育環境がそのままレバーの質として反映されやすいだけでなく酵素が豊富なことから、できるだけ良質で新鮮なものを選びたい。
なおフードの原材料としてフリーズドライビーフレバーが使われることがあるが、フリーズドライとは冷凍乾燥技術のこと。肉に含まれる水分を飛ばし、長期保存できる乾燥物を作る際に用いられる食品加工技術の一つである。
1)五訂食品成分表「うし/肝臓」
2)Food Standards Australia New Zealand, Beef, Liver, Raw
http://www.foodstandards.gov.au/consumerinformation/novelfoods/nuttab2006/onlineversionintroduction/onlineversion.cfm?&action=getFood&foodID=08D10066
3)Deutsches Ernährungsberatungs- und -informationsnetz, Rind Leber roh
http://www.ernaehrung.de/lebensmittel/de/V531100/Rind-Leber-roh.php
4)USDA Nutrient Data Laboratory, Beef, variety meats and by-products, liver, raw
http://ndb.nal.usda.gov/ndb/foods/show/3756?fg=&man=&lfacet=&format=&count=&max=25&offset=&sort=&qlookup=Beef%2C+liver


カナダ
ニュージーランド
日本