私たちの食卓に上がる牛肉(英名Beef)は、その名のとおり牛(学名Bos primigenius taurus)の肉。牛はウシ目ウシ科に属する草食動物であり、4つの胃袋を持つ反芻動物である。現在家畜として飼われている牛は130品種を超える。世界的に見て、牛の飼育方法はその飼育目的によって異なり、搾乳目的の牛(乳牛)では畜舎飼い、食肉目的の牛(肉牛)では繋ぎ飼い・畜舎飼い・放牧が主である。いずれの牛も、オーガニック飼育であれば放牧飼育がなされる。
タンは舌(英名tongue)のことで、成牛の舌は全長40-50cmあり、食肉副産物・モツの1種に数えられる。筋肉質で歯ごたえがあるため、長時間煮込んだり、薄切りにして焼いて食べられることが多い。
日本では牛タン生産量が少ないのに需要が高く、高級素材とされるため、国産牛タンの肉部分がドッグフードに用いられることは極めて少ない。とはいえ牛タン表面の皮は食物(乾草植物など)が擦れても傷つかないように硬めの角質層で覆われ食用にならないことから、牛タン肉をトリミングする際に取り除かれ、国内外産どちらも乾燥させて犬のおやつなどに用いられる。牛タン肉は赤身と同じ横紋筋で、良質のタンパク質源である。
牛の舌はタンパク質約15%、脂質約22%を含むが、脂肪の量は牛の飼育状態や肉のトリミング状態によって変化する。赤身肉に比べ、鉄とビタミンB12を多く含む。