ヘラジカ

ヘラジカ（学名Alces alces）は、別名エルクまたはムースとも呼ばれる、シカ科ヘラジカ属に属するシカ科最大の種である。北半球北部に生息する。雄は頭の上に手のひらを広げたようなへら状の大きな角を持つ。シベリアやスカンジナビア、カナダなどでは狩猟の対象であり、その肉は古くから現在に至るまで郷土料理に取り込まれ食べられている。

ヘラジカの肉は、ほかの鹿肉同様に含まれる脂肪が1％以下と極めて少なく、またタンパク質が約22％を占めるほか、鉄分は約3.2mg/100g（牛レバー：4mg/100g）、また亜鉛も約2.8mg/100g（牛レバー：3.8mg/100g）と豊富である。

ヘラジカを含む鹿肉は牛肉などにアレルギーを持つ犬への代替肉類として提供されることが多いが、鹿肉は牛肉と交差反応を起こす傾向があることが知られており、必ずしもアレルギー対策になるとは言えない。^1）しかしそのアレルギー性の程度は反応試験では分からないので、実際に鹿肉を食べてアレルギーを引き起こさないことも、またよくある事例である。

1）S. Spitzauer et al.: Characterization of allergens from deer: cross-reactivity with allergens from cow dander, Clinical & Experimental Allergy
Volume 27, Issue 2, pages 196?200, February 1997
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1365-2222.1997.tb00693.x/abstract