中でも蝦夷鹿は、北海道に生息する日本固有亜種の鹿であり、現在はその生息数が多くなりすぎたため狩猟による駆除の対象となっている。狩猟により撃たれた鹿の解体は、食肉の衛生を確保するために行政の指定する食肉解体場で行われる。
野生の鹿は家畜とは異なり薬物投与による残留薬物の心配はまずないが、一方で生息する環境の汚染が鹿に影響することも考慮すべきで、特にレバーは体の解毒器官であることから、その質には十分こだわりたい。
鹿のレバーは、タンパク質約20%、脂肪約4%が含まれ、またほかの動物のレバー同様にビタミンAが豊富なほか、B2、 B12、葉酸が豊富(31000IU/100g)である。
鹿肉は牛肉などにアレルギーを持つ犬への代替肉類として提供されることが多いが、鹿肉は牛肉と交差反応を起こす傾向があることが知られており、必ずしもアレルギー対策になるとは言えない。1)しかしそのアレルギー性の程度は反応試験では分からないので、実際に鹿肉を食べてアレルギーを引き起こさないことも、またよくある事例である。
1)S. Spitzauer et al.: Characterization of allergens from deer: cross-reactivity with allergens from cow dander, Clinical & Experimental Allergy
Volume 27, Issue 2, pages 196?200, February 1997
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1365-2222.1997.tb00693.x/abstract