鱒の寿司や焼き魚などで日本の食卓にも馴染みのあるマス(英名Trout、トラウト)は、サケ科の魚。本来、生物学的にはサケとマスの明確な区別はないが、マスは鮭より身が白いものが多く、また同じサケ科でも鮭のように回帰性を持たず、生まれた河川や湖周辺で一生を過ごす淡水魚をマスと呼ぶことが多い。一般にマスまたはトラウトと呼ばれるものにはブラウントラウト(学名Salmo trutta)、ニジマス(学名Oncorhynchus mykiss、別名トラウトサーモン、トラウト)、イワナ(学名Salvelinus leucomaenis)などがある。カラフトマス(学名Oncorhynchus gorbuscha)は日本では「マス」という名前が付いているが、別名ピンクサーモンとも呼ばれ、また回帰性も持つことから日本ではマスよりも
鮭として流通している。ブラウントラウトとニジマスはマスの中でもっとも漁獲量の多い2種で、ブラウントラウトはその90%近くが、ニジマスは99%以上が養殖である。
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サケ同様に、ブラウントラウトとニジマスの身の色は筋肉中に含まれるアスタキサンチンの量によって白からサーモンピンクまで異なり、アスタキサンチンはエサとなる甲殻類に由来することから、甲殻類をエサとして多く食べているものほど赤みの濃い身の色になる。アスタキサンチンの含有量にかかわらず、サケもマスも白身魚である。
またそれぞれ約20%のタンパク質を含み、また脂肪は養殖の環境により含まれる量が異なり、淡水養殖では約5%、海面養殖では15%程度と差がある。そして脂肪の約6割が、不飽和の脂肪酸である。
魚肉の消化性は一般的にほ乳類・鳥類の肉に比べ劣るが、日本犬や北方のソリ犬など何世紀もの間魚を食べ続けてきた歴史から、犬種によってはほ乳類の肉よりも魚の方が体に合ったタンパク質源であることがある。
1)サーモンミュージアム:サケの養殖事業
http://www.food.maruha-nichiro.co.jp/salmon/fishery/10.html