南蛮漬けやサバ味噌、しめ鯖などが美味しいサバは、スズキ目サバ科サバ属(学名Scomber)の魚の総称。日本近海で穫れるサバは、マサバやゴマサバが中心である。ニジョウサバを除き、サバと呼ばれる魚には背中に波形や斑点などの模様があり(ウロコはない)、海水から汽水域にかけて群れで泳ぐ。1950年代より生息数が心配され、漁場と漁獲時期(7月から翌年2月)、漁獲量が限られているが、いまだにほかの魚に混じって通年多く漁獲されている。ニシンやイワシと共にまとめて「青魚」と呼ばれる魚でもあり、世界中で食べられる「庶民の魚」である。
サバのフィレ肉には約20%のタンパク質のほか、約6%(大きさと漁獲時期によって異なる)の脂肪分が含まれ、脂肪にはオレイン酸のほかEPAやDHAなど「オメガ3系」と呼ばれる不飽和脂肪酸が多く含まれる。ビタミンB12もまた、ほかの魚に比べて多く含まれる。
これら基礎的栄養素以外に、サバには生理活性物質のヒスタミンや、リン脂質で脳機能で重要な役割を果たすフォシファチジルセリンも含まれる。ヒスタミンは過剰に摂取するとアレルギー反応の原因にもなる物質だが、ヒスタミンは漁獲後に微生物の活動により生産されるため、新鮮なものや冷凍のサバでは特に問題ない。
またサバはアニサキスという寄生虫が付いていることで有名で、この寄生虫はヒトを含むほ乳類を宿主とするため犬にも寄生する可能性が否定できないことから、できるだけ生食は避け、加熱処理をした方がいい。