マグロ類のうち35%ほどの種は、漁獲資源として過剰あるいは枯渇状態にあり、生息バランスを崩している。とくにタイセイヨウクロマグロは絶滅の恐れがあるとされ、2010年のワシントン条約締約国会議において国際取引の禁止が提案されたが、棄却されて終わった。世界的に見ると日本はマグロの消費国第1位で、その後韓国とアメリカが続く。マグロは回遊魚のため養殖は難しいとされていたが、日本ではすでにマグロの完全養殖が確立され、実販売化に向けて準備が進められている段階である。
マグロのかぶと(頭)の目の裏にはDHAやEPAなど多価(オメガ3系)不飽和脂肪酸を多く含んだ脂肪層がある。
白身魚に比べ、マグロの肉には鉄分が多く含まれる。赤身では含まれる脂肪分がいずれも1%前後と少ないので、その分タンパク質を25%前後と多く含む。
なおアメリカ飼料検査官協会(AAFCO)ではツナとツナミールに関し「ツナは未解体のマグロまたはその切り身の清潔な組織であり、ツナミールはツナを削って粉状あるいは細かい粒子状にしたもの」と規定しているが、世界的には食用にフィレ肉を切り出した後の副産物(頭と骨とそれについた身)を粉砕・乾燥加工して動物飼料用のツナミールを作ることが多く、どのツナミールをフードに使用しているかについてはフードのパッケージや原産国を見て判断するしかない。
後者はタンパク質含有量は乏しいが、魚丸ごとを使ったツナミールよりもミネラル含有量が高い。いずれにしても、ほかの魚を原料としたミールよりも代謝エネルギー供給量は低いとされる。 1)
マグロは、魚の中でも食物連鎖の上位に位置する大型の捕食魚であることから、農薬や重金属などの有害物質が生物濃縮により体内に蓄積される傾向にあることに注意が必要だ。
1)D. Zaviezo, N. Dale: Nutrient content of tuna meal, Poultry Science, 73(6):916-8, 1994 Jun.
http://ps.fass.org/content/73/6/916.abstract