スズキ目サバ科マグロ族に分類されるカツオ(学名:Katsuwonus pelamis)は、日本ではタタキやかつお節を代表とする庶民の食材魚である。マグロ族に分類され、外見もマグロの小型版に見えることから、本来マグロを指す英語名「ツナ」にはカツオが含まれることも多く、またツナ缶の原料にもなっている。魚屋では体長50cm程度のものがおなじみだが、カツオは成長すると体長1m・体重30kg近くまで大きくなる、大型の回遊魚である。カツオといってもソウダガツオ(宗太鰹)はカツオ属ではなく、独立したソウダガツオ属(学名:Auxis)に分類されるカツオの近縁種である。
カツオの肉は約25%のタンパク質を含み、魚肉の中では高タンパク質といえる。脂肪分は漁獲された時期によって異なり、春に穫れるカツオ(初がつお)は低脂肪(1%以下)、秋(戻りがつお)は高脂肪(6%以上)で、これらの脂肪の3分の2を不飽和脂肪酸が占める。またカツオの血合い肉(フィレに付いている赤黒い肉部分)には、疲労回復や心臓機能を助けるタウリンが約800mg/100g含まれる。