ミルクあるいは乳というと、一般的には牛(学名Bos primigenius taurus、ウシ目ウシ科)の乳、つまり牛乳のことを指す。牛乳は出産後の雌牛によって作られ、当然だが出産をしないと乳は出ない。雌牛(乳牛と呼ばれる)が牛乳を作るようになるには、子牛が成長して性成熟を経て妊娠し、280日の妊娠期間の末に出産をしてようやく牛乳が分泌されるので、1頭の雌牛から牛乳を搾れるようになるのは早くても2歳齢の頃となる。
搾りたての牛乳はそのままで飲まれることも多い一方で、チーズやバター、生クリーム、ヨーグルトなど様々な乳製品にも加工される。牛乳から乳脂肪分を分離し、脱脂乳またはスキムミルク(英名Skimmed milk)と呼ばれるものは、その加工の際の残りの牛乳、つまり脂肪分が極めて低い牛乳のことをいう。さらにそれを粉状にしたものは脱脂粉乳あるいはスキムミルクパウダーと呼ばれる。
脂肪を取り除いた残りの牛乳である脱脂乳は、全乳に比べ脂肪分が1%以下と極めて少ないだけで、牛乳に含まれるタンパク質やビタミン、ミネラル類など豊富な栄養素が残されている。脱脂乳はその栄養価の高さから、養豚でも飼料に加えられている。
脱脂乳には乳タンパクが含まれているので、牛肉などにアレルギーがある場合、脱脂乳もまたアレルゲンとなる可能性がある。