私たちが日常的に食べている卵の卵白とは、一般的には(特に鳥の種類が明記されていない限り)キジ科ヤケイ属セキショクヤケイの家畜化された鳥(=鶏 学名:Gallus gallus domesticus)の卵の白身のこと。卵白といわれるものは、卵から殻と卵黄(黄身)を除いたもののことをいい、透明で弾力のある部分のことである。
加工食品の原料として加工しやすいように、スプレードライ(噴霧乾燥)法などによって水分を飛ばし粉末にされた状態のものもあり、これらは乾燥卵白や卵白粉末と呼ばれる。
卵白はその約87%が水分で、次いで約11%がタンパク質、とくにアルブミンがその3分の2を占め、合計40種類のタンパク質で構成されている。卵を構成するタンパク質は約50種類といわれ、そのほとんどが卵白に存在する。脂肪分は0.03%と極めて少なく、このほか約0.7%のミネラル分を含む。卵中の栄養素のほとんどは卵黄に集中しているので、卵白の栄養素はタンパク質以外かなり乏しいといえる。
また、卵白のタンパク質の約0.05%はアビジンという物質で、アビジンは皮膚や被毛に大事なビオチンという微量栄養素と結合する性質を持つこと、そしてアビジンは腸内の消化酵素の影響を受けにくいことから、生の卵白を摂ることでビオチンの吸収が阻害されビオチン不足に陥るのではないかという心配があるが、卵1個分のアビジンが結合できるビオチンの量は卵黄1個分に含まれるビオチンの量にほぼ相当することから、卵白と卵黄を合わせて摂る限りビオチン不足の心配はないとされる。しかし卵黄を含まず卵白だけを摂る場合、腸内細菌が作り出したビオチンが卵白由来のアビジンに結合される傾向にある。