アレルギー源
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「フィッシュスープ」「フィッシュエキス」は、原料の魚を加熱煮出しあるいは酵素によるタンパク質の分解で、アミノ酸やペプチドなどの旨味だけを抽出して濃縮した天然旨味調味料のことだ。特定魚種を使ったものでない限りは、いろいろな種類の魚が使われる。
青魚の一種であるニシンは、その消費量も多く国内の港に水揚げされているイメージがあるが、実際は乱獲で数を大きく減らしており、食卓に並ぶそのほとんどは輸入ものである。青魚の中でもとくに多くの脂肪を含む魚で、タンパク質は18％ほど含まれる。
一口に「魚肉」「フィッシュミール」といっても、魚が無節操に入っているわけではない。イワシ類やサバ類、マグロ類、タラ類などが使われるが、魚油が取り除かれた状態なので脂肪分は低く、タンパク質は多く含まれる。
ドッグフードの原材料一覧に「魚」「魚介類」などと書いてあるのを見ても、その内容はよく分からない。正確な内容物までは分からないが、名称から推察できる可能な範囲で解説しよう。
魚を加工時に遠心分離すると、分離された油層は魚油となり、水溶層が濃縮されてフィッシュソリュブルとなる。多くの栄養素が溶け出しているので、鶏や豚の成長飼料としても使われるが、腎臓に障害のある犬は避けたほうがよい。
ドライフードの嗜好性を高めるために表面にスプレー噴射されることが多いが、実は栄養素も飛び抜けて多くのものが溶けている。ただし一般的には極微量しか使われないため、栄養の効果を期待できるほどの摂取量はない。
庶民の魚の代表格であるサバは、ドッグフードにも使われる。約20％ほどのタンパク質と約6％の脂肪分を含み、EPAやDHAなどの「オメガ3系」と呼ばれる不飽和脂肪酸も多く含まれる、良質の原材料だ。
日本の食卓にいろいろな形で登場するイワシは、もちろんドッグフードの原材料としても使われる。小型の魚であるため、骨と内臓がついたまま丸ごと加工されることが多く、魚粉状態になったときの栄養価は高い。
日本の食卓でもよく見かけるタラは、鮮魚として、すり身や練り物など加工品の原料としても多く使われる、日本の食文化を代表する魚といえる。身に脂肪分が少なく淡泊であることが特徴で、タンパク質は18％ほど含まれるが、脂肪はわずか0.1％しかない。
ホキは体長1.3mにも成長する、オーストラリアとニュージーランドの間に生息するタラの仲間で、冷凍の白身魚フライなどの原料として使われる。タラの仲間なのでやはり脂肪分が少なく（1.3％）、よってカロリーも少ない。
コクチマスもレイクホワイトフィッシュもコクチマス属の魚だが、どちらも漁獲量が非常に少なく、ドッグフードの原料として使われていることは希。タンパク質は19％ほど。
メンハーデンとは聞き慣れない名前だが、北米の大西洋沿岸に生息しているニシン科の魚を指す。アメリカの魚粉の代表的原料がこのメンハーデンであり、それもあってドッグフードでも多く使われている。
ポラック、ハドック、ホワイティングはすべてタラ科の白身魚。冷凍食品の白身魚フライや加工食品の原材料として使われる。タラ科全般にいえることだが、ほかの白身魚に比べて脂肪分が少なく、不飽和脂肪酸も少ない。
ホワイトフィッシュ、白身魚などというとあまりに漠として捕らえどころのない名称だが、フードで使われるものは、タラなどの白身魚の総称を指す言葉となっている。メルルーサやコダラなど、大量に漁獲できる魚を称して呼ぶ。
犬猫のおやつとしても一般的に売られている煮干しは、体長5cm前後のカタクチイワシを乾燥させたもの。世界で最も漁獲量の多い魚で、食用だけでなく、動物飼料や魚油、肥料用としても多く用いられる。
一般的に「小魚」といった場合は、カタクチイワシやシシャモ、キビナゴ、小アジなどの小さな魚をまとめて呼ぶ呼称だ。小さい魚であるがゆえに、骨と内臓を付けたまま与えることができるので、ミネラルやビタミンも一緒に摂取できる。
しらすは、カタクチイワシを中心としたイワシの稚魚・幼魚を塩茹でして乾燥させたもの。乾燥度によって、しらす、ちりめんなどと呼称が変わる。良質のタンパク質と豊富なビタミンA、少ない脂肪分が特徴だ。
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