穀類とは、米や小麦、トウモロコシなど主にイネ科植物の種子を対象にした総称。ヒエやアワなどイネ科以外の植物の種子も穀類に含むことはあるが、むしろ穀類と区別するため雑穀類と呼ばれることが多い。これらの穀類に共通しているのは、いずれも種子に多くの炭水化物を含み、さまざまな文化において主食として用いられていることである。
穀類に含まれる炭水化物はアミロースやアミロペクチンなどの多糖類であり、これらは体内に入り、酵素の作用によりブドウ糖に分解されて体のエネルギー源となる。白米や小麦粉のように精白された穀類は種子の周りの果皮が削り取られていることから、加熱調理後は消化吸収が良いとされるが、一方で体内への吸収が短時間で行われることから、血糖値を一時的に急激に上げることになる。
果皮が付いたままの全粒穀類ではその速度が和らぎ、消化吸収がゆっくりと行われ、体に負担がすくないと言われる。しかし米や麦などの全粒穀類の果皮には、ビタミン類やミネラル類と共に抗酸化効果を持つフィチン酸という物質が含まれるため、ミネラル類の吸収を妨げる可能性がある。そのため、もしも玄米や全粒粉小麦などの全粒穀類をメニューに加える際には、全粒穀類中のミネラル成分に頼らず、ミネラル補給もしっかり忘れないようにしたい。