オート麦

オート麦（学名Avena sativa）は、オーツ麦、カラスムギまたは燕麦（えんばく）とも呼ばれるイネ科カラスムギ属の植物である。脱穀した実（全粒）に圧力をかけて潰したもの、または砕いたものはオートミールと呼ばれ、イギリス系文化ではポリッジ（Porridge）、ドイツ系文化ではミューズリー（Müsli）として牛乳などと混ぜて朝食として食べられているほか、家畜の飼料としても一般的な穀物の一つである。
なお名前にSPC（Special Processed Cereals）と付いたものは、腸内の分泌調節を行い消化を助ける目的で特別加工（特許技術）されたオーツ麦のことで、腸内細菌のバランスを補助するほか、免疫強化や抗炎症効果を持つ。^1）

オーツ麦の胚乳の約65％は炭水化物成分で、胚芽にはビタミンB群が豊富に含まれる。またオーツ麦全粒で見ると、小麦やほかの麦類に比べてミネラル類と脂質（うち約70％がリノール酸などの不飽和脂肪酸）に富み、とくに鉄分の量は肉類などに匹敵する。また、オーツ麦の麬（ふすま、または糠：果皮と胚芽）は、血中コレステロール値を下げる食物繊維のβｰグルカンも多く含んでいる。

オーツ麦のタンパク質量は小麦に比べ少なく、またタンパク質組成も小麦と異なるため、小麦にアレルギーを示す場合に交差反応の弱い代替穀物として用いられることがある。

1) Bozita ”SPC"
http://www.bozita.com/en/Robur/Functions/SPC/