
丸麦(またはパール大麦、パールバーリー)と呼ばれる大麦は、脱穀後に表皮(糠)や胚芽を削り落として精白した大麦のことである。脱穀した後に全粒のままあるいは精白後挽いて粉にされた大麦粉は、その挽き具合により「挽き割り」や「粗挽き」などに区別される。
大麦成分の約70%はアミロペクチンとアミロースなどの糖質が占め、約11%程度含まれるタンパク質は、粘りのあるグルテン質を小麦ほどは持っていない。また、精白されたものでも胚乳部分に食物繊維を多く含み、その量は同じ穀物である米の10-20倍(精白度合いによって異なる)にもなる。またビタミンB群やミネラルにも富み、すべての必須アミノ酸を含む。
全粒大麦の果皮には(ほかの全粒穀物の果皮同様に)抗酸化効果を持つフィチン酸という物質が含まれるが、この物質はミネラルと結合して吸収を妨げる可能性があるため、全粒大麦はミネラル補給のためには向かず、また別素材でのミネラル補給を忘れてはいけない。
なお大麦スプラウトとは、脱穀後の大麦を発芽させたもののことである。前述のように大麦にはミネラル類の吸収を妨げるフィチン酸が含まれるが、発芽させることによりフィチン酸は分解され、大麦全粒に含まれるミネラル成分も有効利用できるようになる。