おいしい夏の食材ソラマメ(学名Vicia faba)はマメ科ソラマメ属の植物、紀元前7世紀の昔に、現在のイスラエルのあたりで原種が栽培されていたという古い歴史を持つ。日本やアジアではソラマメは食用に栽培されている一方、ヨーロッパでは食用としてよりもむしろ家畜の飼料として多く栽培され、現在約150品種があるといわれる。
生のソラマメはその約50%が炭水化物で、約25%がタンパク質、2%程度の脂質のほか食物繊維を含む。ソラマメに含まれるタンパク質量は、マメ科の植物の中では大豆に続く第2位である。
生のソラマメには、ほかの豆類同様にタンニンやレクチンといった天然の防虫抗菌成分、そしてソラマメ独特のビシン(Vicin、グリコシド)とコンビシン(Convicin)という毒性化合物が含まれ、とくにヴィシンとコンヴィシンは嘔吐や下痢をはじめ発熱を伴う溶血性貧血(ソラマメ中毒)の原因になることがあるため、食用にする際は必ず加熱を要する。