十穀米などとして白米と混ぜて炊かれ、このところ健康食の一つとして注目を集めているミレット(Millet)は、ヒエ、粟(あわ)、黍(キビ)など、そもそもは古くから日本で主食とされてきた穀類や豆類などをまとめた雑穀のことを指し、ソルガムとは粒の大きさの点で別のグループに数えられる。これらの穀類はグルテンを含まず、また食物繊維とビタミン・ミネラル類、微量元素が豊富で、消化吸収がゆっくりと行われる自然食材である。
雑穀の種子に含まれるケイ素は、結合組織の柔軟性維持や爪・毛髪・皮膚の健全性維持に働く点からみて、とくに長毛犬種であれば摂取しておいて損はない。また、ほかの穀類の2ー3倍含まれる鉄分、カルシウム、マグネシウム、フッ素など、白米や精白穀類にない栄養学的価値を持つ。なお生の雑穀の種子には青酸が含まれている可能性があるので、食用には必ず加熱することを忘れてはいけない。