「濡れ手に粟」のことわざで有名なアワ(別名オオアワまたはイタリアン・ミレット、学名Setaria italica var. maxima Al.)は、黍(キビ)、ヒエなどとともに昔から日本で食べられてきた雑穀の一つであるイネ科アワ属の植物。原種は直径1.5mmのキビよりもやや小さい丸い種子が食用とされ、英語ではコアワ(別名ジャーマン・ミレット、学名Setaria italica var. germanica Trin.)などとともにフォックステイル・ミレット(Foxtail millet)と呼ばれるように、収穫前の稲穂は狐の尾に似ている。食卓へは米と一緒に炊いて食べられるほか、インコなどの鳥の餌としても有名。
果皮を取り除いた精白アワには、約73%の炭水化物、約10%のタンパク質、そして3%弱の脂質と約3.5%の食物繊維が含まれる。炭水化物はアミロペクチンとアミロースの比率により、米のように粳(うるち)と餅の2つの性質がある。粳は白米と一緒に炊いて粟飯に、餅は粟餅を作るのにそれぞれ適している。