ブドウ糖は別名グルコース(昔はデキストロース)とも呼ばれ、糖類を構成する最小単位の単糖で、自然界に存在する最も代表的な糖である。ブドウ糖は普通の砂糖に比べてマイルドな甘味を持つため、食品などの甘味料として使用される。
よく食品で見かけるブドウ糖果糖液糖は、酵素を用いてブドウ糖の42%を果糖(別名フルクトース)に変換したブドウ糖液のこと。果糖の量が増えることにより通常のブドウ糖よりも甘味が増す。
グルコースは主に植物の光合成により作られ、でんぷんやセルロースなどの重合体の形で植物内に蓄積される。植物内に蓄積されたでんぷんやセルロースを食物として動物が摂取し、体内消化酵素や細菌類によってブドウ糖へ分解され、吸収される。体に吸収されたブドウ糖は血流に乗り、体の隅々にまで運ばれてエネルギー源となるほか、グリコーゲンや脂肪として体内に蓄積される。特に脳と赤血球、そして腎臓(腎錐体)へのエネルギー源として、ブドウ糖は重要な意味を持つ。
しかし先天的あるいは加齢によりブドウ糖の代謝異常(糖尿病)が起こると、血液中のブドウ糖量が過剰になり、この血中ブドウ糖濃度の上昇により血液の粘度が増して、血行が悪くなることで疲労感や視覚障害、免疫力の低下などの症状が現れる。糖尿病の治療には血中ブドウ糖濃度を下げるためのインスリンの投与や、食餌療法として炭水化物含有量の低いフード(low-Carbohydrate diet)を選ぶことが必要である。