たとえばボルゾイは「ブルーとブラウン(チョコレート)以外の、すべての被毛の組み合わせが許されるとあり、この2色が入っていないのなら、ぶちなどの模様があってもよいし、全身1色でもよい。チベタン・テリアは「チョコレートとレバー以外であれば何色でもよい」とある。チワワの場合は「シェットランド・シープドッグなどに見られるブルー・マールやレッド・マールといったマール・カラー以外のすべての色調と組み合わせが認められている」などとなっている。
ほとんどの色がOKと言いながら、条件付きで例外色を明記している理由は、ブルーやマールなどの色を発現させる際、遺伝子の組み合わせにより身体的な欠陥が生じやすいことが分かっているためだ。その個体の子や孫の時代になって障害が現れることも懸念されるため、未来においてもその犬種の健全性が守られるように、そうしたルールが設けられているのだと考えられる。また、他犬種との交雑が懸念されることがあるので、純血種ならではの血を守るためにルールを定めているのだろう。
「ほとんどの色OK」は、前述したチベタン・テリアのように、人為的な犬種改良がほとんどされておらず、大昔からいろいろな色のタイプがいた犬種に多い。