ローン(roan。地色にホワイトがまだら状に混じった被毛色)でこげ茶ベースの場合、「ブラウン・ローン」「ダーク・ブラウン・ローン」「レバー・ローン」と呼ばれるが、この3つはほとんど同じ色味に見える。
日本の昔ながらの狩猟愛好家やファンシャーの間ではジャーマン・ショートヘアード・ポインターのこげ茶を普通「レバー」と呼び、ボディに小さなぶちがある場合は「レバー・ローン」と呼ぶのだが、犬種スタンダードで見ると「ダーク・ブラウン・ローン」と書いてある。厳密にいうとダーク・ブラウンは黒みの強い褐色で、レバーはダーク・ブラウンより少し赤みがある暗褐色らしい(しかし肉色ではない)。狩猟民族ではない日本人には、この差はなかなかに判別しにくい気がする(ちなみに、もっと明るい茶色のローンは「オレンジ・ローン」や「レモン・ローン」と呼ばれる)。
ともあれブラウンの色味の幅は広いし、呼び名もいろいろあるが、本サイトでは、暗褐色(黒みがかった茶色)、濃褐色(黒っぽい茶色で濃いもの)を「こげ茶」とする。
代表選手は、なんといってもラブラドール・レトリーバーのチョコレート。「チョコ・ラブ」の愛称で呼ばれる、あの濃い茶色だ。そしてフラット・コーテッド・レトリーバーの「レバー」(レバー・カラー=肝臓の色)。フラット・コーテッドは、黒か茶しかないので、茶色の方は「レバー」である。
それにしても同じような濃いめの茶色で、しかも同じレトリーバーたちの8グループなのに、チョコレートとレバーという2つの別の言い方をするスタンダードのルールがよくわからない。ただ単にその犬種ごとで俗称のような言い方が定着しているのか、それとも被毛色の色を決める遺伝子などが違うのか、(現時点で筆者には)分からないが、ラブラドール・レトリーバーの犬種スタンダードでは「チョコレート/レバー」と並記してあるので、同じ色を示していると思ってもおおむね相違はないだろう。
【「こげ茶」に含まれる正式毛色名】
セッジ、チョコレート、チョコレート・ブラウン、ピュース・レバー、ブラウン、レバー、暗褐色、濃褐色
セッジ、チョコレート、チョコレート・ブラウン、ピュース・レバー、ブラウン、レバー、暗褐色、濃褐色