茶霜降り

霜降りとは一般的に「霜の降りたような白い斑点がある模様」のことを言うが、それに習って、本サイトでは細かいまだら模様の斑点を「霜降り」とくくることにする。つまり「茶霜降り」とは、オレンジ色のような明るい茶色と白がまだら模様になったものを指す。ぶちの境界線は不明瞭で、にじんでいるような感じ。また、ぶちの密度は、一見明るい茶色の犬に見えるほど、全体的にオレンジ色が占める範囲が広い個体から、地色が白でオレンジ色の斑点が少しだけちらばっている程度の個体もいて、幅がある。

さて、犬のカラーには、「ローン」（roan）と呼ばれるぶち模様がある。「ローン」とは、地色にホワイトが細かく混じった被毛のことで、地色がレバーだったらレバー・ローン、地色がブラックだったらブラック・ローンなどと呼ばれる。すなわち、この「茶霜降り」は、地色がオレンジのオレンジ・ローンのことだ。

ローンは、基本的にガンドッグの仲間、あるいはガンドッグを祖先にもつ犬種に出る配色である。イングリッシュ・コッカー・スパニエルなどだ。

またイギリス原産のイングリッシュ・セッターだけは例外的に、この「ローン」のことを「ベルトン」という言い方をする。なのでオレンジ・ローンと同じ配色なのだが、オレンジ・ベルトンという言い方になる。

同じ配色なのに犬種によって違った呼び名があるので紛らわしいが、ともあれ、オレンジの地色に、白い斑点がまだら模様にまじっているカラーを「茶霜降り」とする。