
一般に植物繊維といえば、たとえば衣類・織物に使われる木綿や麻から、食用に用いられる野菜由来の食物繊維までを指し、その性質によってさまざまな利用がなされている。野菜ではアボカドやブロッコリー、キャベツ、フダンソウ、大根、サツマイモ、キノコ類、豆類などに繊維質が多く含まれ、このうち豆類は、工業的な繊維質の分離加工に使われて豆繊維が作り出される。
体内に摂り込まれた植物繊維は、一部が腸内細菌によって分解されるだけでそのほとんどはそのまま排泄されるが、繊維の分解を通して腸内細菌は増え、そして繊維はほとんど消化されないがゆえに腸内を通る食物のボリュームをある程度保ち、腸壁に圧力を伝えて蠕動運動を促進することから、繊維は整腸と通便に欠かせない大事な食餌の構成要素である。