そのオオバコの中でもよく使われるサイリウム(学名Plantago PsylliumまたはPlantago afra)という品種は、典型的なオオバコの外見からは少し異なるが、その種子の皮には、水を含むと膨張し粘性を持つ繊維物質サイリウム(またはシリアム、Psyllium)が含まれる。これを食物と一緒に摂ると、腸管内で食物が体積を増し、腸壁を刺激することで蠕動運動(腸管内の食物を押し進める腸壁の筋肉運動)を促して便通を良くする作用があるため、ヨーロッパでは古くから民間療法としてサイリウムの種子を便秘解消に用いられてきた。肛門周囲の手術後や出産前後など、患部を労るために軟らかい便を作るときにも用いられる一方で、軟便、水様便などの時には便中の水分を吸収して便質を改善し、整腸に役立つ。
またサイリウムは犬において鉄分の吸収を阻害する傾向にあることが報告されているほか1)、ヒトではいくつかの薬剤の吸収に影響を与えるため、同時に摂取しないことが推奨される。2)
1) R. Fernandez, S. F. Phillips: Components of fiber impair iron absorption in the dog, Am J Clin Nutr January 1982 vol. 35 no. 1 107-112.
http://www.ajcn.org/content/35/1/107.full.pdf
2) K. Fattinger, A. Meier-Abt: Interaktionen zwischen Phytopharmaka und Arzneimitteln, Schweiz Med Forum Nr. 29/30 23. Juli 2003, 693-700.
http://www.medicalforum.ch/pdf/pdf_d/2003/2003-29/2003-29-167.PDF